【2023年(令和5年度)】第二種電気工事士 下期学科試験(筆記方式)【午後】を解説

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今日は2023年10月29日(日)に行われた令和5年度第二種電気工事士 下期学科試験(筆記方式)【午後】の問題と解説を始めるよ。

電気工事士 2種 技能試験セット 第二種電気工事士 モズシリーズ 練習用材料 2023年 ((9)電線2回+器具+動画)

一般問題

 本問題の計算で√2、√3及び円周率πを使用する場合の数値は次によること。√2=1.41、√3=1.73、π=3.14

 次の各問いには4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
 なお,選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい。

問1

図のような回路で、8Ωの抵抗での消費電力[W]は。

イ. 200
ロ. 800
ハ. 1200
ニ. 2000

まず回路全体の抵抗と電流、消費電力を計算しよう。
全体の抵抗は、20×30÷50+8=20Ω
全体の電流は、200÷20=10A
全体の消費電力は、200×10=2000W

そして、全体の抵抗20Ωから8Ωの消費電力を割り出すと、
2000÷20×8=800W
正解は

復習しよう⇒【計算問題】合成抵抗を求める

問2

抵抗率ρ[Ω・m],直径D[mm],長さL[m]の導線の電気抵抗[Ω]を表す式は。

この問題は毎回出題されるので、間違えてしまう人は必ず暗記しましょう。

計算式や記号がごちゃごちゃしているから、少し冷静に考えてみよう。

公式は、電気抵抗R[Ω]=抵抗率ρ[Ω・m]×長さL[m]÷断面積S[㎡]になります。

電気抵抗[Ω]を求めるためには、抵抗率ρ[Ω・m]の「・m」の部分を[m]で割り算して消すんだろうなぁというイメージがなんとなく浮かばないでしょうか。

断面積は、半径×半径×πなので、

(1000×D÷1/2)×(1000×D÷1/2)×π
=πD²÷4×10⁶

これに公式の電気抵抗R[Ω]=抵抗率ρ[Ω・m]×長さL[m]÷断面積S[㎡]を当てはめると

ρ×L÷πD²÷4×10⁶=4ρL/πD²×10⁶

出題パターンも決まっているのでイの式を暗記しましょう。

正解は

問3

電線の接続不良により,接続点の接触抵抗が0.2Ωとなった。この電線に10Aの電流が流れると,接続点から 1 時間に発生する熱量[kJ]は。
ただし,接触抵抗及び電圧降下の値は変化しないものとする。

 イ . 72
 ロ . 144
 ハ . 288
 ニ . 576

まずは電力を計算しましょう。

電圧×電流=電力ですが、電圧=電流×抵抗を合わせて計算すると、
電流×電圧/抵抗=電力より

10×0.2×10=20[W]

この20Wは1秒間のもの
つまり熱量を表すためには1分あたりを計算するための60と、1時間にあたる60の、60を2回、つまり3600をかける必要があります。

20×60×60=72000

JをKJに変えるには1000で割ると72になる。

正解は

復習しよう⇒【一般問題】熱量を求める

問4

図のような抵抗とリアクタンスとが直列に接続された回路の消費電力[W]は。

イ. 600
ロ. 800
ハ. 1000
ニ. 1250

消費電力は電圧E×電流Iの式で求めることができる。

まずはこの回路の電流を計算しなければいけない。

そのために必要なのが回路全体の抵抗=合成インピーダンスというわけ。

√8²+√6²
=10[Ω]

全体の電圧は100Vなので、電流=電圧÷抵抗より、

100÷10=10[A]

また、抵抗÷合成インピーダンスで力率を求める
8÷10=0.8

消費電力W=電圧E×電流Iに力率を掛ける、
100×10×0.8=800

正解は

問5

図のような三相負荷に三相交流電圧を加えたとき、各線に20Aの電流が流れた。線間電圧E[V]は。

イ. 120
ロ. 173
ハ. 208
ニ. 240

Y字のスター結線をみたら、√3を頭に思い浮かべましょう。

電圧E=電流I×抵抗Rの公式に√3をかけると、

20×6×√3
≒208

正解は

問6

図のような三相3線式回路で,電線1線当たりの抵抗が0.15Ω,線電流が10Aのとき,この配線の電力損失[W]は。

イ.15
ロ.26
ハ.30
ニ.45

電力損失[W]を計算するには、まずは電線1線当たりの電圧を計算しましょう。

電流×抵抗=電圧なので、

0.15×10=1.5[V]

電圧×電流=電圧損失なので、

1線の電力損失[W]は、

1.5×10=15[W]

電線は3本なので、45[W]

正解は

問7

図のような単相3線式回路(電源電圧 210/105V)において,抵抗負荷A20Ω,B10Ωを使用中に,図中の×印点Pで中性線が断線した。断線後の抵抗負荷Aに加わる電圧[V]は。
ただし,断線によって負荷の抵抗値は変化せず,どの配線用遮断器も動作しなかったものとする。

 イ . 70
 ロ . 105
 ハ . 140
 ニ . 210

試験であまり見かけない回路図ですが、基本的には通常の断線回路の問題と同じです。

まず全体の電流を計算し、次に抵抗負荷Aに加わる電圧[V]を計算します。

電流=電圧÷抵抗なので、

210÷(20+10)=7[A]

電圧=電流×抵抗なので、

7×20=140[V]

正解は

問8

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に断面積3.5㎟の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合、電線1本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は30℃以下、電流減少係数は0.63とする。
イ.19
ロ.23
ハ.31
ニ.49

電線の太さごとに決められた許容電流と、同一管内の電線数によって決められた電流減少係数を掛け算します。

電線の許容電流は必ず暗記しておきましょう。

電線の直径の場合、1.6㎜は27A、2.0㎜は35A、2.6㎜は48A。

より線(複数の電線)の場合は断面積になり、2.0㎟は27A、3.5㎟は37A、5.5㎟は47A。

電流減少係数は0.63なので、

37×0.63≒23

正解は

※2021年下期午後問8にも同じ問題が出題

問9

図のように、定格電流50Aの配線用遮断器で保護された低圧屋内幹線からVVRケーブル太さ8㎟(許容電流42A)で低圧屋内電路を分岐する場合、a-b間の長さの最大値[m]は。
ただし、低圧屋内幹線に接続される負荷は,電灯負荷とする。

イ. 3
ロ. 5
ハ. 8
ニ. 制限なし

まず、電線の許容電流は42A、配線用遮断器の定格電流は50Aなので、
42÷50=0.84=84%

次に、分岐回路と過電流遮断器の定格電流の原則を考えてみましょう

3m以下は過電流遮断器の定格電流に制限なし
3mを超え8m以下の場合の定格電流は35%以上必要
8mを超えた場合は定格電流は55%以上必要

84%は上記の条件をすべてクリアしているので、a-b間の長さに制限はありません

正解は

問10

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,不適切なものは。

電線の太さが問われていないため、コンセントの正誤がわかればすぐに解けます。

設置可能なコンセントの定格電流は、配線用遮断器と同じか配線用遮断器の10A以下まで

ロは30Aに15Aのコンセントを使用しているため×。

正解は

問11

プルボックスの主な使用目的は。
イ.多数の金属管が集合する場所等で、電線の引き入れを容易にするために用いる。
ロ.多数の開閉器類を集合して設置するために用いる。
ハ.埋込みの金属管工事で、スイッチやコンセントを取り付けるために用いる。
ニ.天井に比較的重い照明器具を取り付けるために用いる。

プルボックスとは電線をまとめて収納するための装置のこと。

配線を収納して分岐や敷設を容易にする目的で使われる。

技能試験でも使用している問題もあるから用途を改めて確認しよう。

正解は

問12

600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブルの特徴として,誤っているものは。

イ.分別が容易でリサイクル性がよい。
ロ.焼却時に有害なハロゲン系ガスが発生する。
ハ.ビニル絶縁ビニルシースケーブルと比べ絶縁物の最高許容温度が高い。
ニ.難燃性がある。

600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブルに関する問題は2023年上期午前にも出題されました。

イ、ハ、ニは正しい選択肢です。

有害なハロゲン系ガスは塩化ビニルを使用した素材は焼却する際に発生します。

一方、ポリエチレンの素材は焼却してもハロゲン系ガスは発生しません。

正解は

問13

ノックアウトパンチャの用途で,適切なものは。
イ.金属製キャビネットに穴を開けるのに用いる。
ロ.太い電線を圧着接続する場合に用いる。
ハ.コンクリート壁に穴を開けるのに用いる。
ニ.太い電線管を曲げるのに用いる。

ノックアウトパンチャは、金属製キャビネットに穴をあける作業で使用します。

最頻出の選択肢の一つなので必ず暗記しましょう

正解は

問14

三相誘導電動機が周波数50Hzの電源で無負荷運転されている。この電動機を周波数60Hzの電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。
イ. 回転速度は変化しない。
ロ. 回転しない。
ハ. 回転速度が減少する。
ニ. 回転速度が増加する

周波数と回転速度は比例の関係で、周波数が増加すれば回転速度も増加します。
答えは

問15

漏電遮断器に関する記述として、誤っているものは。
イ. 高速形漏電遮断器は、定格感度電流における動作時間が0.1秒以下である。
ロ. 漏電遮断器には、漏電電流を模擬したテスト装置がある。
ハ. 漏電遮断器は、零相変流器によって地絡電流を検出する。
ニ. 高感度形漏電遮断器は、定格感度電流が1000mA以下である。

これは2021年下期午後に出題された問題で、少し難易度が高いです。

まずは漏電遮断器の選択肢について検討してみよう。

ロ…漏電遮断器を見るとテスト装置が設置されているのがわかります。
ハ…そのとおりです。

問題は高速形漏電遮断器

どちらも正しそうですが、高感度形漏電遮断器の定格感度電流は5~30mAなのでニが誤りです。

この設問の選択肢は毎回同じなので、ニの選択肢の1000mA以下というのはやや大げさだということをイメージしながら暗記してしまいましょう。

正解は

問16

写真に示す材料の用途は。

イ. 硬質ポリ塩化ビニル電線管相互を接続するのに用いる。
ロ. 金属管と硬質ポリ塩化ビニル電線管とを接続するのに用いる。
ハ. 合成樹脂製可とう電線管相互を接続するのに用いる。
ニ. 合成樹脂製可とう電線管とCD管とを接続するのに用いる。

写真を見ると、左側も右側も同じ形状なのがわかります。

なので、選択肢は相互接続のイかハになります。

また、合成樹脂製可とう電線管には管を固定させるためのコネクタが付いています。

この写真のものはTSカップリングといって、硬質ポリ塩化ビニル電線管(硬質塩化ビニル電線管)相互を接続するために使用します。

ビニル管をカップリングに圧着させるため、合成樹脂製可とう電線管のPF管カップリングのようなコネクタ部分はついていません。

正解は

問17

写真に示す器具の用途は。

イ.リモコン配線の操作電源変圧器として用いる。
ロ.リモコン配線のリレーとして用いる。
ハ.リモコンリレー操作用のセレクタスイッチとして用いる。
ニ.リモコン用調光スイッチとして用いる。

この器具はリモコンリレーで、遠隔操作でスイッチのオン・オフの切り替えを行う際に使用されます。

正解は

問18

写真に示す工具の用途は。

イ.金属管の切断に使用する。
ロ.ライティングダクトの切断に使用する。
ハ.硬質ポリ塩化ビニル電線管の切断に使用する。
ニ.金属線ぴの切断に使用する。

この工具は合成樹脂管用カッターです。

塩ビカッターとも呼ばれていて、硬質ポリ塩化ビニル電線管の切断に使用します。

正解は

問19

600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mmを使用した低圧屋内配線工事で,絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として,不適切なものは。
ただし,ビニルテープはJISに定める厚さ約0.2mmの電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする。

イ.リングスリーブにより接続し,接続部分を自己融着性絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて1回(2層)巻き、更に保護テープ(厚さ約 0.2mm)を半幅以上重ねて 1 回(2 層)巻いた。
ロ.リングスリーブにより接続し,接続部分を黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて2回(4層)巻いた。
ハ.リングスリーブにより接続し,接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
ニ.差込形コネクタにより接続し,接続部分をビニルテープで巻かなかった。

この手の問題は、選択肢を比較して一番対応が手薄なものを疑ってみましょう。

まず、ニの差込型コネクタは絶縁処理不要なので除外しましょう。

残った選択肢を比較すると、イとロは2回(4層)巻いているのに対して、ハは1回(2層)のみです。

使用している材料もビニルテープで、絶縁性が特に優れているわけではありません。

正解は

問20

使用電圧 100 V の低圧屋内配線工事で,不適切なものは。

イ.乾燥した場所にある乾燥したショウウィンドー内で,絶縁性のある造営材に,断面積 0.75㎟ のビニル平形コードを 1 m の間隔で,外部から見えやすい箇所にその被覆を損傷しないように適当な留め具により取り
付けた。
ロ.展開した場所に施設するケーブル工事で,2 種キャブタイヤケーブルを造営材の側面に沿って取り付け,このケーブルの支持点間の距離を 1.5 mとした。
ハ.合成樹脂管工事で,合成樹脂管(合成樹脂製可とう電線管及び CD 管を除く)を造営材の側面に沿って取り付け,この管の支持点間の距離を 1.5 mとした。
ニ.ライティングダクト工事で,造営材の下面に堅ろうに取り付け,このダクトの支持点間の距離を 2 m とした。

支持間隔の細かな知識が問われている問題です。

ケーブル工事の支持点間の距離は2m以下ですが、キャブタイヤケーブルは1m以下に取り付けなければなりません。

正解は

問21

店舗付き住宅の屋内に三相3線式200V、定格消費電力2.5kWのルームエアコンを施設した。このルームエアコンに電気を供給する電路の工事方法として、適切なものは。
ただし、配線は接触防護措置を施し、ルームエアコン外箱等の人が触れるおそれがある部分は絶縁性のある材料で堅ろうに作られているものとする。

イ.専用の過電流遮断器を施設し,合成樹脂管工事で配線し,コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
ロ.専用の漏電遮断器(過負荷保護付)を施設し,ケーブル工事で配線し,ルームエアコンと直接接続した。
ハ.専用の配線用遮断器を施設し,金属管工事で配線し,コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
ニ.専用の開閉器のみを施設し,金属管工事で配線し,ルームエアコンと直接接続した。

夏場のクーラーを想像してみると、室外機から水が出ることがわかると思います。

この水分に漏電したら危険なことが想像できますよね

なので、漏電遮断機は必須です。

また、定格消費電力2.0kW以上の三相3線式200Vの機器は、コンセントを使用せずに電源と直接接続しなければいけません。

正解は

問22

特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで、不適切なものは。

イ.プロパンガスを他の小さな容器に小分けする可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管で保護した600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルを用いたケーブル工事

ロ.小麦粉をふるい分けする可燃性粉じんのある場所
硬質ポリ塩化ビニル電線管VE28を使用した合成樹脂管工事

ハ.石油を貯蔵する危険物の存在する場所
金属線ぴ工事

ニ.自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管を使用した金属管工事

選択肢を比較すると、頑丈な厚鋼電線管を使用しているイとニは安全性が高いことがわかります。

一方、金属線ぴ工事は0.5mm以上の薄い樋(とい)を使用した工事で、湿気や水気のある場所で施工することができません。

そんな金属線ぴ工事ですから、「石油を貯蔵する危険物の存在する場所」では施工することができません。

正解は

問23

硬質塩化ビニル電線管による合成樹脂管工事として,不適切なものは。

イ. 管の支持点間の距離は 2 m とした。
ロ. 管相互及び管とボックスとの接続で,専用の接着剤を使用し,管の差込み深さを管の外径の 0.9 倍とした。
ハ. 湿気の多い場所に施設した管とボックスとの接続箇所に,防湿装置を施した。
ニ. 三相 200 V 配線で,簡易接触防護措置を施した場所に施設した管と接続する金属製プルボックスに,D 種接地工事を施した。

これは暗記していないと答えられない問題です。

硬質ポリ塩化ビニル電線管などの合成樹脂管工事は管の支持点間の距離は1.5m以下にしなければいけません。

正解は

問24

アナログ式回路計(電池内蔵)の回路抵抗測定に関する記述として、誤っているものは。
イ. 測定レンジをOFFにして、指針が電圧表示の零の位置と一致しているか確認する。
ロ. 抵抗測定レンジに切り換える。被測定物の概略値が想定される場合は、測定レンジの倍率を適正なものにする。
ハ. 赤と黒の測定端子(テストリード)を開放し、指針が0Ωになるよう調整する。
ニ. 被測定物に、赤と黒の測定端子(テストリード)を接続し、その時の指示値を読む。なお、測定レンジに倍率表示がある場合は、読んだ指示値を倍率に乗じて測定値とする。

これはかなりマニアックな問題。

アナログ式回路計(電池内蔵)の正誤は平成30年度下期にも出題されたけど、選択肢の文章を微妙に変更している。

だから、間違えても仕方ないし、正解者も少ないだろうから落としてもよいよ。

まず、イとロは正しい。

ハは、一見正しいように見えるんだけど、赤と黒の測定端子(テストリード)を「開放」ではなく、「短絡」するんだ。

また、ニは正しい。

ちなみに過去問では、文末の「乗じて」測定値とすると箇所が「割って」に変更されて出題されていた。

今後、出題される可能性もあるから、この2つの箇所には特に注意しよう。

正解は

問25

アナログ形絶縁抵抗計(電池内蔵)を用いた絶縁抵抗測定に関する記述として、誤っているものは。
イ. 絶縁抵抗測定の前には、絶縁抵抗計の電池容量が正常であることを確認する。
ロ. 絶縁抵抗測定の前には、絶縁抵抗測定のレンジに切り替え、測定モードにし、接地端子(E:アース)と線路端子(L:ライン)を短絡し零点を指示することを確認する。
ハ. 電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は、機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。
ニ. 被測定回路に電源電圧が加わっている状態で測定する。

選択肢を比較検討してみると、イとハは常識的に考えて適切な対応ということがわかりますね。

また、ロの作業をする必要があります

一方で、アナログ形絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測定する際は、被測定回路に無電圧の状態にしておく必要があります。

正解は

問26

工場の200V三相誘導電動機(対地電圧200V)への配線の絶縁抵抗値[MΩ]及びこの電動機の鉄台の接地抵抗値[Ω]を測定した。電気設備技術基準等に適合する測定値の組合せとして、適切なものは。
ただし、200V電路に施設された漏電遮断器の動作時間は0.1秒とする。
イ. 0.2MΩ / 300Ω
ロ. 0.4MΩ / 600Ω
ハ. 0.1MΩ / 200Ω
ニ. 0.1MΩ / 50Ω

この問題が出たら、電気設備技術基準の表を思い浮かべましょう。

「200V三相誘導電動機(対地電圧200V)」は300V以下かつ対地電圧150V以上に当てはまるため、抵抗値は0.2MΩ以上が必要です。

この条件を満たしている選択肢はイとロ。

また、三相誘導電動機は使用電圧が200VだからD種接地工事をしなければいけない

「動作時間は0.1秒」の漏電遮断器が設置されている場合は0.5秒以内で動作する漏電遮断器を設置している場合に該当し、接地抵抗値は500Ω以下でなければいけません。

抵抗値は0.2MΩ以上、接地抵抗値500Ω以下を満たす選択肢が答えになります。

正解は

問27

クランプ形電流計に関する記述として,誤っているものは。
イ.クランプ形電流計を使用すると通電状態のまま電流を測定できる。
ロ.クランプ形電流計は交流専用のみであり,直流を測定できるものはない。
ハ.クランプ部の形状や大きさにより,測定できる電線の太さや最大電流に制限がある。
ニ.クランプ形電流計にはアナログ式とディジタル式がある。

近年、クランプ形電流計に関する出題が増えてきています。

クランプ形電流計とは、輪になったクランプ部分に電線を通すことで、回路に流れる電流を測定すことができます。

通常の電流計のように端子を回路に接続する必要がなく、作業をスムーズに進めることができます。

アナログ式とディジタル式があるほか、交流と直流を測定することができます。

一方で、測定できる電線の太さや最大電流に制限があります。

正解は

問28

「電気工事士法」において、一般用電気工作物に係る工事又は作業で電気工事士でなければ従事できないものは。

イ.電圧 600 V 以下で使用する電動機の端子にキャブタイヤケーブルをねじ止め
する。
ロ.火災感知器に使用する小型変圧器(二次電圧が 36 V 以下)二次側の配線をする。
ハ.電線を支持する柱を設置する。
ニ.配電盤を造営材に取り付ける。

イとロは電気工事法で「軽微な工事」と分類されていて、電気工事士以外でも従事できます。

「電線を支持する柱を設置する。」は誰でも作業ができますが、「配電盤を造営材に取り付ける。」安全に作業するために電気に関する知識が必要だから、電気工事士でなければ従事できません。
正解は

問29

「電気用品安全法」の適用を受ける電気用品に関する記述として、誤っているものは。

ロは特定電気用品以外の電気用品の表示の説明になります。

正解は

問30

「電気設備に関する技術基準を定める省令」において、次の空欄(A)及び(B)の組合せとして、正しいものは。

「交流が600V、直流が750V」

これは必ず覚えよう。

ちなみに僕は「直後(直流は750)」と覚えたよ。
正解は

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