【2024年(令和6年度)】第二種電気工事士 上期学科試験(筆記方式)を解説

KOJO
今日は2024年5月26日(日)に行われた令和6年度第二種電気工事士 上期学科試験(筆記方式)の問題と解説を始めるよ。

一般問題

 本問題の計算で√2、√3及び円周率πを使用する場合の数値は次によること。√2=1.41、√3=1.73、π=3.14

 次の各問いには4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
 なお,選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい。

問1

図のような回路で,8Ωの抵抗での消費電力[W]は。

イ.200
ロ.800
ハ.1200
ニ.2000

まず回路全体の抵抗と電流、消費電力を計算してみましょう。
全体の抵抗は、20×30÷50+8=20Ω
全体の電流は、200÷20=10A
全体の消費電力は、200×10=2000W

そして、全体の抵抗20Ωから8Ωの消費電力を割り出すと、
2000÷20×8=800W
正解は

復習しよう⇒【計算問題】合成抵抗を求める

問2

抵抗率ρ[Ω・m],直径D[mm],長さL[m]の導線の電気抵抗[Ω]を表す式は。

公式は、電気抵抗R[Ω]=抵抗率ρ[Ω・m]×長さL[m]÷断面積S[㎡]になります。

断面積S[㎡]を表す式は半径×半径×πで、直径D [㎜]をmにするために1000をかけるので、

(1000×D÷1/2)×(1000×D÷1/2)×π

=πD²÷4×10⁶

これに公式の電気抵抗R[Ω]=抵抗率ρ[Ω・m]×長さL[m]÷断面積S[㎡]を当てはめると

ρ×L÷πD²÷4×10⁶=4ρL/πD²×10⁶

出題形式が固定されているので、迷ったら「4」「D²」のある式を選択しましょう。

正解は

問3

電線の接続不良により,接続点の接触抵抗が0.2Ωとなった。この電線に15Aの電流が流れると,接続点から1時間に発生する熱量[kJ]は。
ただし,接触抵抗の値は変化しないものとする。

イ.11
ロ.45
ハ.72
ニ.162

電力を求めて、そこに1秒あたりの熱量[J]を算出し、最後に[J]を1,000で割って[kJ]に変換します。

電圧[V]×電流[I]=電力[W]ですが、電圧=電流×抵抗を合わせて計算する必要があります。

電流×電圧/抵抗=電力より

15×0.2×15=45[W]

この45Wは1秒間のものなので、熱量を表すためには1分あたりを計算するための60と、1時間にあたる60の、60を2回、つまり3600をかける必要があります。

45×60×60=162000[J]

JをKJに変えるには1000で割ると162になります。

正解は

問4

定格電圧V[V],定格電流I[A]の三相誘導電動機を定格状態で運転したところ,消費電力がP[kW]であった。この電動機の力率[%]を表す式は。

三相誘導電動機の消費電力の公式は

P=V×I×√3×力率[cosθ]÷10⁵

で求めることができます。

今回は力率を計算するので

力率[cosθ]=P÷(√3×V×I)×10⁵

正解は

問5

図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。

イ.8.3
ロ.11.6
ハ.14.3
ニ.20.0

まず、この回路はY字のスター結線なので、相電圧[V]=線間電圧[V]÷√3の計算が必要になりそうだなと頭に浮かべておきましょう。

電流I[A]=電圧E[V]/抵抗R[Ω]より、相電圧[V]を抵抗10Ωで割ることで回路に流れる電流[A](線間電流のことで、スター結線の場合は相電流と同じ)を求めることができます。

相電圧は線間電圧200[V]÷√3になります。

200÷√3÷10≒11.6。

正解は

問6

図のように,電線のこう長8mの配線により,消費電力2000Wの抵抗負荷に電力を供給した結果,負荷の両端の電圧は100Vであった。配線における電圧降下[V]は。
ただし,電線の電気抵抗は長さ1000m当たり3.2Ωとする。

イ.1
ロ.2
ハ.3
ニ.4

まず回路の電流を計算すると、

2000÷100=20[A]

次に2本の電線の抵抗を計算、

3.2÷1000×8×2=0.0512

抵抗×電流=電圧より

0.0512×20=1.024 [V]

正解は

問7

図のような単相3線式回路において,電線1線当たりの抵抗が0.1Ω,抵抗負荷に流れる電流がともに15Aのとき,この配線の電力損失[W]は。

イ.45
ロ.60
ハ.90
ニ.135

単相3線式の場合、真ん中の中性線に電流は流れないので上下の2つの抵抗負荷の電力損失を考えましょう。

電力損失[W]=電流I×電圧E、さらに電圧E=電流I×抵抗Rより、

15×15×0.1×2

=45〔W〕

正解は

問8

金属管による低圧屋内配線工事で,管内に直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合,電線1本当たりの許容電流[A]は。
ただし,周囲温度は30℃以下,電流減少係数は0.63とする。

イ.17
ロ.22
ハ.30
ニ.35

直径2.0㎜の許容電流は35A。

電力減少係数をかけると、

35×0.63≒22[A]

参考までに、1.6㎜は27A、2.0㎜は35A、2.6㎜は48A。

断面積5.5㎟と単線2.6mmの許容電流はほぼ同じと覚えておくとよいでしょう。

正解は

問9

図のような電熱器H1台と電動機M2台が接続された単相2線式の低圧屋内幹線がある。この幹線の太さを決定する根拠となる電流IW[A]と幹線に施設しなければならない。
過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流IB[A]の組合せとして,適切なものは。
ただし,需要率は100%とする。

イ. Iw 50 IB 125
ロ. Iw 50 IB 130
ハ. Iw 60 IB 130
ニ. Iw 60 IB 150

電流IW[A]を求めるために、電熱器と電動機のそれぞれの定格電流の合計を計算します。

電熱器の定格電流の合計Ihは、Ih=10[A] 電動機の定格電流の合計Imは、Im=20+20=40[A]

また、ImはIm>Ih、Im≦50AなのでIw≧1.25×Im+Ihで計算します。

1.25×40+10=60[A]

電流IWは60[A]なので、選択肢はハとニに絞られます。

次に過電流遮断器の根拠となる定格電流IB[A]を求めましょう。

電動機が接続されているので3×Im+Ihと2.5×Iw をそれぞれ計算すると、
130、150になります。

①3Im+Ih≦2.5Iwの場合は、IB≦3Im+Ih
②3Im+Ih>2.5Iwの場合は、IB≦2.5Iw

この場合は130≦150で①になるので、IB≦130になります。

正解は

問10

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。

まず、設置可能なコンセントの定格電流は、配線用遮断器と同じか配線用遮断器の10A以下までになります。
なので、ハとニは×。

次に許容電流と電線の太さを確認しましょう。

30Aの場合の電線の太さは2.6mm、もしくは5.5mm²が必要なのでロは×。

正解は

問11

アウトレットボックス(金属製)の使用方法として,不適切なものは。

イ.金属管工事で電線の引き入れを容易にするのに用いる。
ロ.金属管工事で電線相互を接続する部分に用いる。
ハ.配線用遮断器を集合して設置するのに用いる。
ニ.照明器具などを取り付ける部分で電線を引き出す場合に用いる。

誤っているのはハ。

配線用遮断器を集合して設置するのに用いる器具は分電盤です。

まったく同じ問題が2023年上期試験午後にも出題されました。

正解は

問12

低圧屋内配線として使用する600Vビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度[℃]は。

イ.45
ロ.60
ハ.75
ニ.90

暗記問題です。

それぞれの最高許容温度は、
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)→90℃
600V二種ビニル絶縁電線(HIV)→75℃
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)→60℃
600Vビニル絶縁電線(IV)→60℃

600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルと600Vビニル絶縁電線(IV)は頻出なので必ず覚えましょう。

正解は

問13

硬質ポリ塩化ビニル電線管の切断及び曲げ作業に使用する工具の組合せとして,適切なものは。

イ.合成樹脂管用カッタ 圧着工具 パイプベンダ
ロ.電工ナイフ 面取器 パイプベンダ
ハ.電工ナイフ 圧着工具 トーチランプ
ニ.合成樹脂管用カッタ 面取器 トーチランプ

硬質ポリ塩化ビニル電線管は合成樹脂管の一つなので、切断する際には合成樹脂管用カッタを使用します。

また、曲げ作業ではトーチランプによる熱で変形させて曲げます。

パイプベンダは金属管の曲げ作業で使用する工具なので硬質ポリ塩化ビニル電線管には使用しません。

それぞれの組合せを必ず覚えましょう。

正解は

問14

三相誘導電動機の始動において,全電圧始動(じか入れ始動)と比較して,スターデルタ始動の特徴として,正しいものは。

イ.始動時間が短くなる。
ロ.始動電流が小さくなる。
ハ.始動トルクが大きくなる。
ニ.始動時の巻線に加わる電圧が大きくなる。

スターデルタ始動は全電圧始動の1/3と小さく,始動時に軽負荷特性を持つ用途に適しています。

定期的に問われるので、Y字結線を思い浮かべながら必ず覚えておきましょう。

正解は

問15

組み合わせて使用する機器で,その組合せが明らかに誤っているものは。

イ.ネオン変圧器と高圧水銀灯
ロ.光電式自動点滅器と庭園灯
ハ.零相変流器と漏電警報器
ニ.スターデルタ始動装置と一般用低圧三相かご形誘導電動機

ネオン変圧器はネオン灯を点火する際に使用される変圧器で、高圧水銀灯とは関係がありません。

2023年上期午前にも同じ問題が出題されました。
正解は

問16

写真の矢印で示す材料の名称は。

イ.金属ダクト
ロ.ケーブルラック
ハ.ライティングダクト
ニ.2 種金属製線ぴ

正解はケーブルラック。

ラックとは入れ物のことで、電線ケーブルの入れ物と連想すると覚えやすいです。
正解は

問17

写真に示す器具の名称は。

イ.キーソケット
ロ.線付防水ソケット
ハ.プルソケット
ニ.ランプレセプタクル

この写真は線付防水ソケットで、屋台やビアガーデンなどで使用します。

名前のとおり電線が露出しているのが特徴です。

正解は

問18

写真に示す工具の用途は。

イ.リーマと組み合わせて,金属管の面取りに用いる。
ロ.面取器と組み合わせて,ダクトのバリを取るのに用いる。
ハ.羽根ぎりと組み合わせて,鉄板に穴を開けるのに用いる。
ニ.ホルソと組み合わせて,コンクリートに穴を開けるのに用いる。

この工具はクリックボールです。

リーマと組み合わせると金属管の面取りに、羽根ぎりと組み合わせると木材に穴を開けることができます。

正解は

問19

低圧屋内配線工事で,600Vビニル絶縁電線(軟銅線)をリングスリーブ用圧着工具とリングスリーブE形を用いて終端接続を行った。接続する電線に適合するリングスリーブの種類と圧着マーク(刻印)の組合せで,a~dのうちから不適切なものを全て選んだ組合せとして,正しいものは。

イ.a,b
ロ.b,c
ハ.c,d
ニ.a,d

リングスリーブの種類と刻印は配線図問題や技能試験にも関連する重要な知識です。

aとdの内容は正しいです。

bの場合はリングスリーブ小を使用します。

cの場合もリングスリーブ小で対応可能です。

正解は

問20

使用電圧100Vの低圧屋内配線のライティングダクト工事として,不適切なものは。

イ.ライティングダクトの開口部を下に向け支持点間の距離を1.5mとし,造営材に堅ろうに取り付けた。
ロ.ライティングダクトの終端部をエンドキャップを用いて閉そくした。
ハ.ライティングダクトの全長が3.5mであったので,D種接地工事を省略した。
ニ.建造物の壁を貫通してライティングダクトを設置した。

ライティングダクトは壁や天井を貫通して設置してはいけません。

正解は

問21

使用電圧200Vの三相電動機回路の施工方法で,不適切なものは。

イ.湿気の多い場所に1種金属製可とう電線管を用いた金属可とう電線管工事を行った。
ロ.造営材に沿って取り付けた600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルの支持点間の距離を2m以下とした。
ハ.金属管工事に600Vビニル絶縁電線を使用した。
ニ.乾燥した場所の金属管工事で,管の長さが3mなので金属管のD種接地工事を省略した。

1種金属製可とう電線管は展開している場所か点検できる隠ぺい場所で、乾燥している場所でのみ施工できます。

▽まったく同じ問題が平成30年上期試験で出題されました。

正解は

問22

ケーブル工事による低圧屋内配線で,ケーブルと弱電流電線の接近又は交差する箇所がa~dの4箇所あった。a~dのうちから適切なものを全て選んだ組合せとして,正しいものは。
a:弱電流電線と交差する箇所で接触していた。
b:弱電流電線と重なり合って接触している長さが3mあった。
c:弱電流電線と接触しないように離隔距離を10cm離して施設していた。
d:弱電流電線と接触しないように堅ろうな隔壁を設けて施設していた。

イ.dのみ
ロ.c,d
ハ.b,c,d
ニ.a,b,c,d

ケーブルと水道管、ガス管、弱電流電線を接触させると事故につながる可能性があります。

なので絶対に接触させてはいけません。

▽令和3年度上期午前に出題されました。

正解は

問23

硬質ポリ塩化ビニル電線管による合成樹脂管工事として,不適切なものは。

イ.管の支持点間の距離は2mとした。
ロ.管相互及び管とボックスとの接続で,専用の接着剤を使用し,管の差込み深さを管の外径の0.9倍とした。
ハ.湿気の多い場所に施設した管とボックスとの接続箇所に,防湿装置を施した。
ニ.三相200V配線で,簡易接触防護措置を施した場所に施設した管と接続する金属製プルボックスに,D種接地工事を施した。

知識を暗記していないと解けない問題です。

硬質ポリ塩化ビニル電線管などの合成樹脂管工事は管の支持点間の距離は1.5m以下にしなければいけません。

▽令和5年度下期午後に出題されました。

正解は

問24

アナログ式回路計(電池内蔵)の回路抵抗測定に関する記述として,誤っているものは。

イ.回路計の電池が有効であることを確認する。
ロ.抵抗測定レンジに切り換える。被測定物の概略値が想定される場合は,測定レンジの倍率を適正なものにする。
ハ.赤と黒の測定端子(テストリード)を短絡し,指針が0Ωになるよう調整する。
ニ.被測定物に,赤と黒の測定端子(テストリード)を接続し,その時の指示値を読む。なお,測定レンジに倍率表示がある場合は,読んだ指示値を倍率で割って測定値とする。

誤った選択肢はニ。

記述の後半の「割って」ではなく「乗じて」が正しい内容になります。

この箇所はよく問われるので、同じ問題が出題された場合は一番最初にチェックしましょう。

▽令和5年度下期午後に出題されました。

正解は

問25

アナログ形絶縁抵抗計(電池内蔵)を用いた絶縁抵抗測定に関する記述として,誤っているものは。

イ.絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗計の電池が有効であることを確認する。
ロ.絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗測定のレンジに切り替え,測定モードにし,接地端子(E:アース)と線路端子(L:ライン)を短絡し零点を指示することを確認する。
ハ.電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は,機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。
ニ.被測定回路に電源電圧が加わっている状態で測定する。

選択肢を比較検討してみると、イとハは常識的に考えて適切な対応ということがわかりますね。

また、ロは事前に行わなければいけない作業になります。

一方で、アナログ形絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測定する際は、被測定回路に無電圧の状態にしておく必要があります。

▽令和5年度下期午後に出題されました。

正解は

問26

使用電圧100Vの低圧電路に,地絡が生じた場合0.1秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。この電路の屋外にD種接地工事が必要な自動販売機がある。その接地抵抗値a[Ω]と電路の絶縁抵抗値b[MΩ]の組合せとして,「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。

イ.a 600 b 2.0
ロ.a 500 b 1.0
ハ.a 100 b 0.2
ニ.a 10  b 0.1


「電気設備に関する技術基準を定める省令」の区分に当てはめると「使用電圧300V以下、かつ対地電圧150V以下」に該当するため、絶縁抵抗値bは0.1MΩ以上が必要です。
この場合、すべての選択肢でbは適合しています。

また、D種設置工事の接地抵抗値は、地絡を生じた場合に0.5 秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下まで可能です。

それを考えるとイのaにある600Ωは適合しないことがわかります

正解は

問27

図は測定器の目盛板を示したものである。この測定器に関する記述として,誤っているものは。

イ.この測定器は電圧計である。
ロ.永久磁石可動コイル形の測定器である。
ハ.測定器を水平に置いて測定する。
ニ.交流回路用の測定器である。

目盛版で正解するには記号が何を指しているのかを暗記していることが必要です。

中央にあるVは電圧のことで、下の波線は交流回路用であることを示しています。

左下にある記号は「可動鉄方形」「水平設置」を表す記号で、1.0は許容誤差が1.0%以内であることを示しています。

正解は

問28

「電気工事士法」において,一般用電気工作物に係る工事の作業で,a,bともに電気工事士でなければ従事できないものは。

イ.a:配電盤を造営材に取り付ける。
  b:電線管を曲げる。
ロ.a:地中電線用の管を設置する。
  b:定格電圧100Vの電力量計を取り付ける。
ハ.a:電線を支持する柱を設置する。
  b:電線管に電線を収める。
ニ.a:接地極を地面に埋設する。
  b:定格電圧125Vの差込み接続器にコードを接続する。

「配電盤を造営材に取り付ける。」「電線管を曲げる。」「電線管に電線を収める。」「接地極を地面に埋設する。」は電気の接続に関する知識がないと危険なので電気工事士でなければ従事できません。

一方で、電線の接続に直接影響を与えないような作業は誰でも従事できます。

柱や管の設置、電力量計の取り付けなどは電気工事士以外が行っても差し支えない作業です。

正解は

問29

「電気用品安全法」における特定電気用品に関する記述として,誤っているものは。

輸入した特定電気用品にも特定電気用品の記号を付することができますが、国内同様の◇にPSEの文字が入る記号になります。

正解は

問30

「電気設備に関する技術基準を定める省令」に関する記述として,誤っているものは。

イ.電圧の種別である低圧,高圧及び特別高圧を規定している。
ロ.電気設備は,感電,火災その他人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならないと規定している。
ハ.「電気機械器具」とは,電路を構成する機械器具をいうと定義されている。
ニ.「電線」とは,通常の使用状態で電気が通じているところをいうと定義されている。

ニは「電線」ではなく「電路」に関する記述です。

正解は

配線図問題

図は,鉄骨軽量コンクリート造店舗平屋建の配線図である。この図に関する次の各問いには4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを 1 つ選びなさい。
【注意】 1.屋内配線の工事は,特記のある場合を除き 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 (VVF)を用いたケーブル工事である。
2.屋内配線等の電線の本数,電線の太さ,その他,問いに直接関係のない部分等は省略又は簡略化してある。
3.漏電遮断器は,定格感度電流 30 mA,動作時間 0.1 秒以内のものを使用している。
4.選択肢(答え)の写真にあるコンセント及び点滅器は,「JIS C 0303:2000 構内電気設備の配線用図記号」で示す「一般形」である。
5.電灯分電盤及び動力分電盤の外箱は金属製である。
6.ジョイントボックスを経由する電線は,すべて接続箇所を設けている。
7.3 路スイッチの記号「0」の端子には,電源側又は負荷側の電線を結線する。

問31

①で示す図記号の名称は。

イ.リモコンセレクタスイッチ
ロ.漏電警報器
ハ.リモコントランス
ニ.表示スイッチ

①はリモコンセレクタスイッチで、傍記表示の数字は点滅回路数を表しています。

主にお店などで使用されています。

正解は

問32

②で示す図記号の器具の取り付け場所は。

イ.床面
ロ.天井面
ハ.壁面
ニ.二重床面

②のコンセントの図記号は、二重床面、壁面、床面への設置を表す記号が加えられていないため、天井面に設置します。

設置場所や抜け止めコンセントが使用されていることから、カウンターの照明のためのコンセントだと推測できます。。

正解は

問33

③で示す部分に使用するコンセントの極配置(刃受)は。

③は接地極付きの100V・20Vのコンセントです。

選択肢の中で100Vに対応したものはロとニ、20Aに対応したものはイとニになります。

正解は

問34

④で示す図記号の名称は。

イ.誘導灯
ロ.保安用照明
ハ.一般用照明
ニ.非常用照明

④の図記号は誘導灯です。

いわゆる脱出する人が緑色でピクトが描かれた四角い電灯です。

正解は

問35

⑤で示す部分の配線で(VE28)とあるのは。

イ.外径28mmの硬質ポリ塩化ビニル電線管である。
ロ.外径28mmの合成樹脂製可とう電線管である。
ハ.内径28mmの硬質ポリ塩化ビニル電線管である。
ニ.内径28mmの合成樹脂製可とう電線管である。

硬質ポリ塩化ビニル電線管の傍記表示はVEになります。

鋼製電線管と比べて厚みがあるため、内径が基準になります。

正解は

問36

⑥で示す部分の接地工事の種類及びその接地抵抗の許容される最大値[Ω]の組合せとして,正しいものは。
なお,引込線の電源側には地絡遮断装置は設置されていない。

イ.C種接地工事 10Ω
ロ.C種接地工事 50Ω
ハ.D種接地工事 100Ω
ニ.D種接地工事 500Ω

この電線が接続している動力分電盤を確認すると、単相3線式200Vの電源から電気が流れていることがわかります。

「電気設備に関する技術基準を定める省令」に定められた電路の使用電圧の区分に当てはめてみると「使用電圧300V以下、かつ対地電圧150V超300V以下」に該当するため、接地工事はD種接地工事を施設します。

また、0.5秒以内の動作する漏電遮断機が使用されている場合は、接地抵抗の許容される最大値は500Ωになります。問題文の【注意3】にも記述があります。

しかし、該当部分には漏電遮断機が設置されていないため、接地抵抗の許容される最大値[Ω]は100Ωになります。

正解は

問37

⑦で示す箇所に設置する機器の図記号は。

イはベル変圧器
ロはリモコントランス(リモコン変圧器)
ハは遅延スイッチ
ニはリモコンスイッチ

リモコントランス(リモコン変圧器)はリモコンリレーとセットで使用されます。

正解は

問38

⑧で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として,許容される最小値[MΩ]は。

イ.0.1
ロ.0.2
ハ.0.4
ニ.1.0

この電線が接続している動力分電盤を確認すると、単相3線式100Vの電源から電気が流れていることがわかります。

「電気設備に関する技術基準を定める省令」に定められた電路の使用電圧の区分に当てはめてみると「使用電圧300V以下、かつ対地電圧150V以下」に該当するため、絶縁抵抗値は0.1MΩ以上が必要になります。

正解は

問39

⑨で示す図記号の器具を用いる目的は。

イ.過電流を遮断する。
ロ.地絡電流を遮断する。
ハ.過電流と地絡電流を遮断する。
ニ.不平衡電流を遮断する。

この図記号はカバー付ナイフスイッチで、過電流が流れた際に電路は遮断します。

正解は

問40

⑩の部分の最少電線本数(心線数)は。

イ.2
ロ.3
ハ.4
ニ.5

この部分には3路スイッチ「ア」と接続する電線が必要です。

手洗い場方面にある3路スイッチ「ア」と2本接続します。

さらに、同じ事務所にある蛍光灯「ア」と1本接続します。

正解は

問41

⑪で示すボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合,使用する差込形コネクタの種類と最少個数の組合せで,正しいものは。

まず、左方向のコンセントを経由して電源fから延びる接地側電線(白線)と非接地側電線(黒線)の接続を考えてみましょう。

接地側電線(白線)は、換気扇「カ」、右下方向のコンセントと接続するため、3本の差込形コネクタを使用します。

非接地側電線(黒線)は、スイッチ「カ」、右下方向のコンセントと接続するため、3本の差込形コネクタを使用します。

また、換気扇「カ」とスイッチ「カ」を接続するため、2本の差込形コネクタを使用します。

まとめると、3本の差込形コネクタが2個、2本の差込形コネクタが1個必要になります。

正解は

問42

⑫で示す電線管相互を接続するために使用されるものは。

⑫では硬質ポリ塩化ビニル電線管が使用されています。

相互接続に必要な器具はTSカップリングになります。

正解は

問43

⑬で示す部分の配線工事で一般的に使用されることのない工具は。

イはパイプレンチで、金属管工事で使用する工具です。

ロの合成樹脂管用カッタは硬質ポリ塩化ビニル電線管などの合成樹脂管の切断に、ハの面取り器は硬質ポリ塩化ビニル電線管などの合成樹脂管の面取りに、ニのトーチランプは硬質ポリ塩化ビニル電線管の曲げ作業で使用します。

正解は

問44

⑭で示す回路の漏れ電流を測定できるものは。

漏れ電流はイのクランプ電流計を使用して、丸い部分に電線を挟み込んで測定します。

正解は

問45

⑮で示す図記号の部分に使用される機器は。

⑮の図記号はリモコンリレーです。

リモコンリレーはハとニですが、単相3線式回路の場合はニの両切りのリモコンリレーを使用します。

正解は

問46

⑯の示す接地線を直線重合せ接続する場合の工具とスリーブの組合せとして,適切なものは。

この接地工事では接地線とアース棒を圧着します。

この際、重ね合わせ用の裸圧着スリーブPを、持ち手の赤い裸圧着ペンチを使用して圧着します。

正解は

問47

⑰で示す図記号の器具は。ただし,写真下の図は,接点の構成を示す。

傍字表記の「L」のあるスイッチは確認表示灯スイッチで、ニの接点構成になります。

ロは位置表示灯スイッチで傍字表記の「H」になるので区別できるように気をつけましょう。

正解は

問48

⑱で示すボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合,使用するリングスリーブの種類と最少個数の組合せで,正しいものは。
ただし,接地線の配線も含まれるものとする。

この部分はすべて2.0㎜の電線が使用されています

心線の太さが2.0㎜同士の場合、5本以上接続で「大」、4本~3本で「中」、2本で「小」のリングスリーブを使います。

また、ボックスに伸びる電線を見ると、「3C」「2C」という表記があります。

これは心線の数です。

つまり、左方向の電線のみ心線が2本なので、心線が4本の電線が2つ、3本の電線が1つになることがわかります。

新鮮の太さが2.0㎜同士を4本~3本接続する場合のリングスリーブは「中」を使用します。

正解は

問49

⑲で示すボックス内の接続をリングスリーブで圧着接続した場合のリングスリーブの種類,個数及び圧着接続後の刻印との組合せで,正しいものは。
ただし,使用する電線はすべてVVF1.6とする。
また,写真に示すリングスリーブ中央の〇,小は刻印を表す。

まず、リングスリーブをチェックしましょう。

心線の太さが1.6㎜の場合、5本以上接続で「中」、4本~3本で「小」、2本で「○」のリングスリーブを使います。

次に電源bから引いている接地側電線(白線)と非接地側電線(黒線)と接続する電線を考えてみましょう。

接地側電線(白線)は、右方向の蛍光灯「ア」と接続するため、リングスリーブ「○」を使用します。

非接地側電線(黒線)は、左方向の3路スイッチ「ア」と接続するため、リングスリーブ「○」を使用します。

また、3路スイッチ「ア」同士が2本の電線でそれぞれ接続するため、リングスリーブ「○」を2個使用します。

また、さらに右下の3路スイッチ「ア」と蛍光灯「ア」を接続するため、リングスリーブ「○」を使用します。

まとめると、リングスリーブ「○」5個が必要になります。

正解は

問50

この配線図で,使用されていないコンセントは。

イは手洗い場にある傍字表記2Eのコンセントです。

ロは問32の②になります。

ハは手洗い場の左上のトイレの横にあるコンセントです。

正解は

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