【2024年(令和6年度)】第二種電気工事士 下期学科試験(筆記方式)を解説

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今日は2024年10月27日(日)に行われた令和6年度第二種電気工事士 下期学科試験(筆記方式)の問題と解説を始めるよ。

2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい-っと合格 入門講習DVD付 / 藤瀧和弘 【本】

一般問題

 本問題の計算で√2、√3及び円周率πを使用する場合の数値は次によること。√2=1.41、√3=1.73、π=3.14

 次の各問いには4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
 なお,選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい。

問1

図のような回路で、端子a – b間の合成抵抗[Ω]は。

イ.1
ロ.2
ハ.3
ニ.4

計算は、2Ω同士の並列、3Ωと6Ωの並列、左記の2つの抵抗の直列、そして外側にある6Ωとの並列の順番で解いていきましょう。

まず、2Ω同士の並列は、
2×2÷(2+2)=1[Ω]

続いて3Ωと6Ωの並列は、
3×6÷(3+6)=2[Ω]

この2つは直列関係なので足し算すると、
1+2=3[Ω]

この3Ωと外側の6Ωは並列なので、
6×3÷(6+3)
=2[Ω]

正解は

問2

A,B2本の同材質の銅線がある。Aは直径1.6mm,長さ20m,Bは直径3.2mm,長さ40mである。Aの抵抗はBの抵抗の何倍か。

イ.2
ロ.3
ハ.4
ニ.5

以下の2つの条件が銅線の抵抗に影響を与えます。

・電線が長くなる→抵抗も大きくなる
・直径が太くなる(断面積が大きくなる)→抵抗は小さくなる

これを数式にすると、

(直径B÷直径A)²×(長さA÷長さB)

断面積の計算式は半径×半径×円周率ですが、直径同士を割り算して二乗することで抵抗が何倍違うかが計算できます。

正解は

問3

電線の接続不良により,接続点の接触抵抗が0.5となった。この電線に20Aの電流が流れると,接続点から1時間に発生する熱量[kJ]は。

イ.72
ロ.144
ハ.720
ニ.1,440

熱量[J]は電圧×電流で求めるので、
(0.5×20)×20=200

この200[J]は1秒間の熱量なので、1時間に換算するために60を2回掛け算します。
200×60×60=720000 [J]

[kJ]に変えるには上記を1000で割ります。

正解は

問4

図のような正弦波交流回路の電源電圧vに対する電流iの波形として,正しいものは。

これは令和元年下期のみに出題されていた難問です。

正弦波交流回路にコンデンサを接続した場合、電流iは電源電圧vに対しての位相が90°進みます。

この波形を表しているのはハです。

一方、正弦波交流回路にコイルを接続した場合は上記と反対の現象が発生し、イのように電源電圧vが電流iに対しての位相が90°進みます。

正解は

問5

定格電圧V[V],定格電流I[A]の三相誘導電動機を定格状態で時間t[h]の間,連続運転したところ,消費電力量がW[kW・h]であった。この電動機の力率[%]を表す式は。

公式の理解が求められている問題ですが、問題前半をよく読むと、時間t[h]は定格電圧V[V]と定格電流I[A]に関係する運転時間だということがわかるため、VとIの片方、もしくは両方と掛け算をすることが推測できます。

また、三相誘導電動機から√3をイメージできると選択肢を絞ることができます。

正解は

問6

図のような単相2線式回路で、c-c’間の電圧が99Vのとき、a-a’間の電圧[V]は。
ただし、rは電線の抵抗[Ω]とする。

イ.102
ロ.103
ハ.104
ニ.105

解答するために、図の4つのrで発生した電圧降下を計算してc-c’間の電圧99Vに加えます。

まず、a-b間にある抵抗にはb-b’間の10Aとc-c’間の10Aを合算した20Aの電流が流れるため、電圧降下は、
0.1[Ω]×20[A]=2[V]

b-c間の抵抗の電圧降下は、
0.1[Ω]×10[A]=1[V]

a’-b’間とb’-c’間の抵抗にも同じ電圧降下が発生しています。

すべてを合算すると
99+2+1+2+1=105[V]

正解は

問7

図1のような単相3線式回路を,図2のような単相2線式回路に変更した場合,配線の電力損失はどうなるか。
ただし,負荷電圧は100V一定で,負荷A,負荷Bはともに消費電力1kWの抵抗負荷で,
電線の抵抗は1線当たり0.1とする。

初めて出題される形式の問題ですが、慌てずにそれぞれの回路の電力損失を計算し、比較することで正解にたどり着きます。

まず単相3線式回路の電力損失を計算しましょう。

単相3線式回路の電力損失は中性線を除いた2つの抵抗が影響します。

1kWの2つの負荷それぞれに流れる電流は
1000÷100=10[A]

電力損失[W]=電流[A]×電圧[V]、電圧[V]=電流[A]×抵抗[Ω]より

10×10×0.1×2=20[W]

一方、単相2線式回路の方は1kWの2つの負荷が並列に接続されているため、電流は
1000÷100+1000÷100=20[A]

電力損失[W]=電流[A]×電圧[V]、電圧[V]=電流[A]×抵抗[Ω]より
20×20×0.1×2=80[W]

正解は

問8

金属管による低圧屋内配線工事で,管内に断面積5.5mm²の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合,電線1本当たりの許容電流[A]は。
ただし,周囲温度は30℃以下,電流減少係数は0.63とする。

イ.19
ロ.24
ハ.31
ニ.49

電線の太さに対応した1本当たりの許容電流と、収めた本数に対応した電力減少係数を掛け算します。

断面積5.5mm²の電線1本当たりの許容電流は49A、4本を収めたときの電力減少係数は問題文にあるように0.63になるので、

49×0.63≒31[A]

ちなみに、電線の太さに対応した1本当たりの許容電流は直径1.6㎜は27A、2.0㎜は35A、2.6㎜は48A、

断面積2.0㎟は27A、3.5㎟は37A、5.5㎟で49Aになりますので必ず押さえておきましょう。

正解は

問9

図のように定格電流125Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐し,10mの位置に過電流遮断器を施設するとき,間の電線の許容電流の最小値[A]。

イ.44
ロ.57
ハ.69
ニ.89

分岐回路と過電流遮断器の定格電流の原則を考えてみましょう

3m以下は過電流遮断器の定格電流に制限なし
3mを超え8m以下の場合の定格電流は35%以上必要
8mを超えた場合は定格電流は55%以上必要

この問題では分岐から10mの位置に過電流遮断器を施設されているため、低圧屋内幹線の過電流遮断器の55%以上必要です。
125×0.55≒69[A]

正解は

問10

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。
ただし,分岐点から配線用遮断器までは3m,配線用遮断器からコンセントまでは8mと,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。
また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

まず、設置可能なコンセントの定格電流は、配線用遮断器と同じか配線用遮断器の10A以下までになります。

なので、イとニは×。

次に許容電流と電線の太さを確認しましょう。

30Aの場合の電線の太さは2.6㎜、もしくは5.5㎟が必要なのでハは×。

正解は

問11

多数の金属管が集合する場所等で,通線を容易にするために用いられるものは。

イ.分電盤
ロ.プルボックス
ハ.フィクスチュアスタッド
ニ.スイッチボックス

これはプルボックスの説明で、図記号では☒と書きます。

頻出問題なので必ず覚えましょう。

正解は

問12

600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)の絶縁物の最高許容温[℃]は。

イ.60
ロ.75
ハ.90
ニ.120

それぞれの最高許容温度は、
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)→90℃
600V二種ビニル絶縁電線(HIV)→75℃
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)→60℃
600Vビニル絶縁電線(IV)→60℃

600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルと600Vビニル絶縁電線(IV)は頻出なので必ず覚えましょう。
正解は

問13

ノックアウトパンチャの用途で,適切なものは。

イ.金属製キャビネットに穴を開けるのに用いる。
ロ.太い電線を圧着接続する場合に用いる。
ハ.コンクリート壁に穴を開けるのに用いる。
ニ.太い電線管を曲げるのに用いる。

ノックアウトパンチャは、金属製キャビネットに穴をあける作業で使用します。

最頻出の選択肢の一つなので必ず暗記しましょう

正解は

問14

極数6の三相かご形誘導電動機を周波数60Hzで使用するとき,最も近い回転速度[min-1]は。

イ.600
ロ.1200
ハ.1800
ニ.3600

公式は120×周波数÷極数なので

120×60÷6により1200[min-1]

正解は

問15

低圧電路に使用する定格電流が20Aの配線用遮断器に25Aの電流が継続して流れたとき,この配線用遮断器が自動的に動作しなければならない時間[分]の限度(最大の時間)は。

イ.20
ロ.30
ハ.60
ニ.120

電路に流れる電流の状況を整理すると、
25÷20=1.25
つまり、配線用遮断器の定格電流の1.25倍の電流が流れています。

配線用遮断器に1.25倍の電流を通電したときの遮断時間の限度は、定格電流が50A以下の配線用遮断機は60分、50Aを超え400A以下のものは120分となっています。

配線用遮断器の定格電流は20Aのため、自動的に動作しなければいけない時間の限度は60分になります。

正解は

問16

写真に示す材料の名称は。
なお,材料の表面には「タイシガイセンEM600VEEF/F1.6mmJISJET<PS>E○○社タイネン2017」が記されている。

イ.無機絶縁ケーブル
ロ.600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形
ハ.600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形
ニ.600V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル

材料の表記に注目しましょう。

「EM」はエコマテリアル、「EEF」はポリエチレン絶縁・ポリエチレンシース・フラット(平形)の意味です。

また「タイネン」とは耐燃性のある素材であることを表しています。

正解は

問17

写真に示す器具の〇で囲まれた部分の名称は。

イ.漏電警報器
ロ.電磁接触器
ハ.漏電遮断器
ニ.熱動継電器

この写真の器具は電磁開閉器です。

分解すると上は電磁接触器、下は熱動継電器になります。

正解は

問18

写真に示す工具の名称は。

イ.手動油圧式圧着器
ロ.手動油圧式カッタ
ハ.ノックアウトパンチャ(油圧式)
ニ.手動油圧式圧縮器

写真の器具はイの手動油圧式圧着器です。

この器具は電線を圧着端子で圧着させるときに使用します。

ニの手動油圧式圧縮器と一文字違いなので注意しましょう
正解は

問19

600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mmを使用した低圧屋内配線工事で,絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として,不適切なものは。
ただし,ビニルテープはJISに定める厚さ約0.2mmの電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする。

イ.差込形コネクタにより接続し,接続部分をビニルテープで巻かなかった。
ロ.リングスリーブ(E形)により接続し,接続部分を黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて 1 回(2 層)巻いた。
ハ.リングスリーブ(E形)により接続し,接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
ニ.リングスリーブ(E形)により接続し,接続部分にリングスリーブ用の絶縁キャップを被せ,ビニルテープで巻かなかった。

絶縁処理の応用問題で、同じ問題は令和3年下期午後で初めて出題されました。

まず、差込形コネクタに絶縁処理は関係ないので、イは除外。

ニのリングスリーブ用絶縁キャップは、結線をそのまますっぽり包む材料です。

結線はしますが、イメージ的には差込形コネクタに似ています。

なので、追加で被覆処理を施す必要はありません。

残ったロとハは同じようにテープを巻いていますが、使用している材料が異なります。

ハのビニルテープ(0.2mm)の厚みは、ロの絶縁テープ(0.5mm)の半分以下だということがわかります。

つまり、この中でハは絶縁性能が一番低く、対象の絶縁処理としては不適切です。

正解は

問20

使用電圧100Vの屋内配線の施設場所における工事の種類で,不適切なものは。

イ.点検できない隠ぺい場所であって,乾燥した場所のライティングダクト工事
ロ.点検できない隠ぺい場所であって,湿気の多い場所の防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD 管を除く)
ハ.展開した場所であって,湿気の多い場所のケーブル工事
ニ.展開した場所であって,湿気の多い場所の防湿装置を施した金属管工事

ライティングダクトは屋内における乾燥した展開した場所や点検できる隠ペい場所で使用し、 造営材を貫通して施設することはできません。

正解は

問21

店舗付き住宅の屋内に三相3線式200V,定格消費電力2.5kWのルームエアコンを施設した。このルームエアコンに電気を供給する電路の工事方法として,適切なものは。
ただし,配線は接触防護措置を施し,ルームエアコン外箱等の人が触れるおそれがある部分は絶縁性のある材料で堅ろうに作られているものとする。

イ.専用の過電流遮断器を施設し,合成樹脂管工事で配線し,コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
ロ.専用の漏電遮断器(過負荷保護付)を施設し,ケーブル工事で配線し,ルームエアコンと直接接続した。
ハ.専用の配線用遮断器を施設し,金属管工事で配線し,コンセントを使用してルームエアコンと接続した。
ニ.専用の開閉器のみを施設し,金属管工事で配線し,ルームエアコンと直接接続した。

夏場のクーラーを想像してみると、室外機から水が出ることがわかると思います。

この水分に漏電したら危険なことが想像できますよね

なので、漏電遮断機の設置は必須です。

また、定格消費電力2.0kW以上の三相3線式200Vの機器は、コンセントを使用せずに電源と直接接続しなければいけません。

正解は

問22

D種接地工事を省略できないものは。
ただし,電路には定格感度電流15mA,動作時間0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器が取り付けられているものとする。

イ.乾燥した場所に施設する三相200V(対地電圧200V)動力配線の電線を収めた長さ3mの金属管
ロ.水気のある場所のコンクリートの床に施設する三相200V(対地電圧200V)誘導電動機の鉄台
ハ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200V(対地電圧200V)空気圧縮機の金属製外箱部分
ニ.乾燥した場所に施設する単相3線式100/200V(対地電圧100V)配線の電線を収めた長さ7mの金属管

D種接地工事は水気のある場所で省略することはできません。

また、コンクリートは乾燥した木製の床と異なり吸水せず、湿気が残るため接地工事が必須になります。

正解は

問23

金属管工事による低圧屋内配線の施工方法として,不適切なものは。

イ.太さ25mmの薄鋼電線管に断面積8㎟の600Vビニル絶縁電線3本を引き入れた。
ロ.太さ25mmの薄鋼電線管相互の接続にコンビネーションカップリングを使用した。
ハ.薄鋼電線管とアウトレットボックスとの接続部にロックナットを使用した。
ニ.ボックス間の配管でノーマルベンドを使った屈曲箇所を2箇所設けた。

このような正誤問題は、明らかに知識として誤っている選択肢を探してみましょう。

薄鋼電線管にはねじの有無があり、電線を相互接続するカップリングもねじ無しかねじ有りかで変わってきます。

しかし、ここではねじについて何も言及されていません。

コンビネーションカップリングはプリカチューブと金属管を接続するときにしようするものです。

正解は

問24

アナログ式回路計(電池内蔵)の測定レンジを図のように選定し測定したところ,目盛板の値を示した。測定値として,正しいものは。

イ.直流205V
ロ.抵抗4.5Ω
ハ.交流205V
ニ.直流20.5mA

これは初めて出題された形式の問題で、アナログ式回路計の使用方法が問われています。

下の写真のダイヤルを見ると、右上の「ACV」の方向を指しています。

ACVとは交流電圧のことで、「~」の記号からも判断することができます。

交流電圧は上の写真の下段にある目盛りに表示されます。

正解は

問25

絶縁抵抗計(電池内蔵)に関する記述として,誤っているものは。

イ.絶縁抵抗計には,ディジタル形と指針形(アナログ形)がある。
ロ.絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗計の電池が有効であることを確認する。
ハ.絶縁抵抗計の定格測定電圧(出力電圧)は,交流電圧である。
ニ.電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は,機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。

ここ最近の試験では絶縁抵抗計に関する出題が増えています。

絶縁抵抗計の定格測定電圧は直流電圧です。

一方、接地抵抗計は交流電圧なので誤って理解しないように注意しましょう。

正解は

問26

次の空欄(A),(B)及び(C)に当てはまる組合せとして,正しいものは。

イ.(A)0.4 (B)C種 (C)10
ロ.(A)0.4 (B)C種 (C)500
ハ.(A)0.2 (B)D種 (C)100
ニ.(A)0.4 (B)D種 (C)500

これは令和元年下期試験に出題されましたが、C種接地工事について言及した難問なので落としても仕方ないです。

まず、(A)は300V超の場合なので「0.4」が入ります。

ちなみに0.2MΩは150V超300V以下の場合です。

そのため、(B)も同様に300V超の場合なので「C種」が入ります。

C種接地工事の接地抵抗値は「10」Ω以下でなければいけませんが、地絡を生じた場合に0.5秒以内に電路を自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下まで可能になります。

正解は

問27

単相3線式回路の漏れ電流を,クランプ形漏れ電流計を用いて測定する場合の測定方法として,正しいものは。
ただし,緑の線は中性線を示す。

単相3線式回路なので、漏れ電流を計測する際は接地側電線、非接地側電線、中性線の3本を挟む必要があります。

この応用で、単相2線式回路で緑色の線でマークされた接地線を含むかどうかという問題もありますが、漏れ電流を計測する場合は接地線を含まないので注意しましょう

正解は

問28

「電気工事士法」において,一般用電気工作物に係る工事の作業でa,bともに電気工事士でなければ従事できないものは。

イ.a:配電盤を造営材に取り付ける。
b:電線管を曲げる。

ロ.a:地中電線用の管を設置する。
b:定格電圧 200 V の電力量計を取り付ける。

ハ.a:電線を支持する柱を設置する。
b:電線管に電線を収める。

ニ.a:接地極を地面に埋設する。
b:定格電圧 125 V の差込み接続器にコードを接続する。

頻出問題なので、電気工事士でなければ従事できない作業とそうでないものを必ず区別できるようにしましょう。

まず、電線管を曲げたり、電線を収めることは電気工事士しかできません。

一方で、電線管用の管を設置したり、電線を支持する柱の設置は誰でも従事することができます。

電線の接続に影響を与えない作業は誰でも作業できると覚えておくとよいです。

この基準で考えると、「定格電圧100Vの電力量計を取り付ける。」「定格電圧125Vの差込み接続器にコードを接続する。」も誰でもできますね。

一方、「配電盤を造営材に取り付ける。」「接地極を地面に埋設する。」は安全に作業するために電気に関する知識が必要なので、電気工事士でなければ従事できません。
正解は

問29

低圧の屋内電路に使用する次の電気用品のうち,特定電気用品の組合せとして,正しいものは。
A:定格電圧200V,定格電流30Aの配線用遮断器
B:定格電圧300V,定格電流20Aのリモートコントロールリレー
C:定格電圧125V,定格電流15Aのライティングダクト
D:定格電圧125V,定格電流15Aの差込み接続器

イ.A,B
ロ.A,D
ハ.B,C
ニ.C,D

ここ数回の特定電気用品の問題の中では難易度の高い問題です。

特定電気用品とは使用状況などによっては危険が発生する可能性のある電気用品のことです。

配線用遮断器、漏電用遮断器は特定電気用品の代表格として頻繁に出題されます。

また、タイムスイッチ、タンブラ一スイッチ、フロートスイッチ、差込み接続器も特定電気用品です。

一方で、リモートコントロールリレーやカバー付きナイフスイッチ、ライティングダクトは特定電気用品以外の電気用品になります。

正解は

問30

「電気設備に関する技術基準を定める省令」で定められている交流の電圧区分で,正しいものは。

イ.低圧は600V以下,高圧は600Vを超え10000V以下
ロ.低圧は600V以下,高圧は600Vを超え7000V以下
ハ.低圧は750V以下,高圧は750Vを超え10000V以下
ニ.低圧は750V以下,高圧は750Vを超え7000V以下

まず、交流と直流の電圧種別を考えると、交流が600V、直流が750Vになります。

そうすると、イとロに絞られますが、ここは7000Vが正解です。

7000V超は特別高圧の区分になります。

正解は

配線図問題

図は,鉄骨軽量コンクリート造一部2階建工場及び倉庫の配線図である。この図に関する次の各問いには4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。
【注意】
1.屋内配線の工事は,特記のある場合を除き電灯回路は600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF),動力回路は600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)を用いたケーブル工事である。
2.屋内配線等の電線の本数,電線の太さ,その他,問いに直接関係のない部分等は省略又は簡略化してある。
3.漏電遮断器は,定格感度電流30mA,動作時間が0.1秒以内のものを使用している。
4.選択肢(答え)の写真にあるコンセントは,「JISC0303:2000構内電気設備の配線用図記号」で示す「一般形」である。
5.ジョイントボックスを経由する電線は,すべて接続箇所を設けている。
6.3路スイッチの記号「0」の端子には,電源側又は負荷側の電線を結線する。

問31

①で示す部分の最少電線本数(心線数)は。

イ.3
ロ.4
ハ.5
ニ.6

この部分には、スイッチ「イ」と蛍光灯「イ」を接続する電線、スイッチ「ロ」と蛍光灯「ロ」を接続する電線、電源「L-2」から延びる接地側電線の3本が通ります。

3路スイッチ「ハ」は1階の照明と接続するので該当部分とは無関係です。

正解は

問32

②で示す引込口開閉器が省略できる場合の,工場と倉庫との間の電路の長さの最大値[m]は。

イ.5
ロ.10
ハ.15
ニ.20

問33

③で示す図記号の名称は。

イ.圧力スイッチ
ロ.押しボタン
ハ.電磁開閉器用押しボタン
ニ.握り押しボタン

この記号は電磁開閉器用押しボタン

頻出なので絶対覚えましょう。

ちなみに、イの圧力スイッチはBではなくP、握り押しボタンは図のBがない記号になります。

正解は

問34

④で示す電線の種類は。

イ.600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線
ロ.600V耐燃性架橋ポリエチレン絶縁電線
ハ.600V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル
ニ.600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形

地中で使用できる電線はケーブルになるため、選択肢はハとニに絞られます。

また、傍記表示の「5.5」から断面積5.5㎟の丸形のケーブルが使用されていることがわかるほか、平形の場合に傍記表示される「F」がないため、このケーブルが平形でないことが推測できます。

正解は

問35

⑤で示す図記号の器具の名称は。

イ.タイマ付スイッチ
ロ.熱線式自動スイッチ
ハ.熱線式自動スイッチ用センサ
ニ.自動点滅器

この器具は自動点滅器で、傍記表示の「A」はオートの略称になります。

「(6A)」は6A用の自動点滅器であることを表しています。

正解は

問36

⑥で示す部分に施設してはならない過電流遮断装置は。

イ.2極にヒューズを取り付けたカバー付ナイフスイッチ
ロ.2極2素子の配線用遮断器
ハ.2極にヒューズを取り付けたカットアウトスイッチ
ニ.2極1素子の配線用遮断器

分電盤L-1をみると回路の電源が単相3線式100/200Vであることがわかりますが、⑥の下の漏電遮断器(四角の「E」のこと)には200Vと書かれています。

200V回路の配線用遮断器には2極2素子が必要になります。

そのため2極1素子の配線用遮断器が誤りです。

他の選択肢の遮断機よりも性能が制限されていることが明らかなので、選択肢を比較して検討してみるのも1つの手です。

正解は

問37

⑦で示す部分の接地工事の電線(軟銅線)の最小太さと,接地抵抗の最大値との組合せで,正しいものは。

イ.1.6mm 100Ω
ロ.1.6mm 500Ω
ハ.2.0mm 100Ω
ニ.2.0mm 600Ω

この問題が出たら、「電気設備に関する技術基準を定める省令」の表を思い浮かべましょう。

この配線図は「200V三相誘導電動機(対地電圧200V)」で、「漏電遮断器は、定格感度電流が30mA、動作時間が0.1秒以内のものを使用している」ので、D種接地工事を行う必要があります。

D種接地工事は接地線の太さが1.6mm以上必要です。

また、「0.5秒以内に動作する漏電遮断器」が設置されているので、接地抵抗値は500Ω以下まで許容されます。

ということで、最小の太さは1.6mm、接地抵抗の最大値は500Ωになります。

正解は

問38

⑧で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として,許容される最小値[MW]は。

イ.0.1
ロ.0.2
ハ.0.4
ニ.1.0

ここでもD種接地工事と「電気設備に関する技術基準を定める省令」の理解が問われています。

この三相誘導電動機は使用電圧200V、対地電圧200Vだから、「使用電圧300V以下、かつ対地電圧150V超300V以下」のグループに入ります。

この場合、絶縁抵抗値は0.2MΩ以上必要になります。

正解は

問39

⑨で示す部分に使用するコンセントの極配置(刃受)は。

「3P」と書いてあるので極が3つ、さらに「E」とあるため接地極付きであることがわかります。

極=穴のことなので、選択肢は4つ穴のイかロに絞られます。

ロは引掛形コンセントで、図記号に「T」の傍記表示されます。

しかし、ここでは傍記されていないのでロは誤りです。

正解は

問40

⑩で示す部分に取り付けるモータブレーカの図記号は。

ブレーカなので「B」の表記を連想しましょう。

正しい図記号はイになります。

また、モータブレーカの図記号は、正方形に「B」に右下に「M」を傍記表示するものもあります。

その他は、ロは漏電遮断器、ハは電流計付箱開閉器、ニはカバーナイフスイッチになるので覚えておきましょう。

正解は

問41

⑪で示す部分の接地抵抗を測定するものは。

接地抵抗を測定する器具は接地抵抗計です。

3つの極をE・P・Cの順番で水平に10m間隔で離して使用します。

その他の選択肢は、
イ…絶縁抵抗計。「MΩ」と表示されています。
ロ…検相器。三相回路の相順を調べますが、この回路は単相3線式だから不要。
ハ…回路計。回路電圧の確認や導通試験で使用。

正解は

問42

⑫で示すジョイントボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合,使用するリングスリーブの種類と最少個数の組合せで,正しいものは。

この部分は3方向からそれぞれ3本の電線が延びていて、同じ種類の電線3本とそれぞれ接続します。

つまり、3本の結線を3回行うためリングスリーブは3個必要になります。

また、電線の太さはすべて断面積5.5㎟で、直径2.6mmの電線とほぼ同じです

リングスリーブ「中」は直径2.6mmの電線を2本までしか接続できないため、ここではリングスリーブ「大」を使用します。

まとめると、リングスリーブ「大」3個が必要になります。

正解は

問43

⑬で示すVVF 用ジョイントボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合,使用する差込形コネクタの種類と最少個数の組合せで,正しいものは。
ただし,使用する電線はすべてVVF1.6 とする。

まず、電源L-2から延びる接地側電線(白線)と非接地側電線(黒線)の接続を考えてみましょう。

接地側電線(白線)は、スイッチ「イ」、蛍光灯「ロ」、1階の照明「ハ」と接続するため、4本の差込形コネクタを使用します。

非接地側電線(黒線)は、スイッチ「イ」「ロ」と接続するため、2本の差込形コネクタを使用します。

また、蛍光灯「イ」とスイッチ「イ」、蛍光灯「ロ」とスイッチ「ロ」をそれぞれ接続するため、2本の差込形コネクタを2個使用します。

まとめると、2本の差込形コネクタが3個、4本の差込形コネクタが1個必要になります。
正解は

問44

⑭で示す点滅器の取付け工事に使用されることのない材料は。

問題冒頭の【注意】1には、「電灯回路は600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)」と書かれています。

ニは金属管用露出形スイッチボックスで、ケーブル工事では使用しません。

また、2階のケーブル工事は隠ぺい配線で施設されているため、露出型のボックスが適しているとは言えません。

正解は

問45

⑮で示す図記号のコンセントは。

傍記表示「ET」とは接地端子のことです。

接地端子が付いている選択肢はハとニに絞られます。

ニは接地極も付いていて、傍記では「EET」と表示されるので誤りです。

正解は

問46

⑯で示す部分の配線工事に必要なケーブルは。
ただし,心線数は最少とする。

問題冒頭の【注意】1より、この部分は600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)が使用されています。

平形なので、選択肢は平らなケーブルのロとハに絞られます。

また、このケーブルには蛍光灯「ハ」と接地側電線(白線)を接続する電線と、3路スイッチ同士を結ぶ2本の電線が必要になります。

正解は

問47

⑰で示す部分に使用するトラフは。

トラフとはU字の形をした溝のことで、地中に布設するケーブルや配管を保護するために使用します。

正解は

問48

⑱で示す図記号の機器は。

この図記号は低圧進相コンデンサです。

ロ…ネオン変圧器。図記号は○の中にトランスのTが入り、右下に傍記でネオンのNが入ります。
ハ…3極3素子の配線用遮断器。記号は□の中にB。
ニ…電磁開閉器。電磁開閉器押しボタン(◎の中心が●で右下にB)が近くに設置されています。

正解は

問49

⑲で示すジョイントボックス内の電線相互の接続作業に使用されることのないものは。

このジョイントボックス内では直径14mmの電線を3本接続します。

この接続では裸圧着スリーブを使用します。

そのため、イのリングスリーブ用圧着ペンチではなく、ニの手動油圧式圧着器を使用して圧着します。

ロのケーブルカッターは電線の切断に、ハの電工ナイフは電線の被覆処理に使用します。

正解は

問50

⑳で示す図記号の電線管をモーターに接続するために使用されるものは。

この部分は2種金属製可とう電線管(プリカチューブ)が使用されています。

2種金属製可とう電線管とアウトレットボックスとの接続にはロのストレートボックスコネクタを使用します。

イはねじなしボックスコネクタ、
ハはエフレックスクランプ、
ニはPF管用コネクタになります。

正解は

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