今回はのテーマは合成抵抗。落ち着いて考えれば必ず解けるから、直列・並列接続をマスターしよう!
【計算問題】合成抵抗
どんな試験にも言えることだけど、試験の一問目というのはとても重要。
この第一問を楽勝に解けるかどうかで、試験に取り組むテンションがガランと変わってくる。
じゃあ、第二種電気工事士の一問目はどんな問題が出てくるの?、と考えたときに、ダントツで多いのが「スイッチSを閉じたときのa-b端子間の電圧〔V〕」と「合成抵抗」。
この2つは、どちらもルールさえ覚えていれば解ける問題だから、みんなには必ず正解してほしい。
しかし、「合成抵抗」の問題は、手を変え品を変え様々なパターンで問われてくる。
今回の講義で過去問をこなしながら、解き方をしっかりマスターしていこう!
まず、抵抗〔Ω〕の基本的な考え方をおさらいするよ。
回路にそれぞれ3Ωの抵抗Aと抵抗Bの2つがある場合、抵抗同士が直列で接続するか、並列で接続するかによって合成抵抗は異なる。
直列の場合は、抵抗を足し算する。
3+3=3〔Ω〕
一方、並列の場合は少し面倒で、AとBを掛け算した数字を、AとBを足し算した数字で割る。
3×3÷(3+3)=1.5〔Ω〕
こんなふうに、直列と並列の計算を理解していないと数字が大きく変わるから、必ず区別して計算しよう。
さて、まずは例題を解いてみよう
この回路の抵抗同士の関係をわかりやすいように分解して考えてみよう。
まず、aの近くにある小さなサイズの長方形をした4Ω同士の並列、このミニ長方形と直列する下方向にある4Ω、さらにまたこれらと並列関係にある上方向にある4Ωが存在する。
この回路では並列、直列、並列の順番で計算していこう。
まず、小さなサイズの4Ω同士の並列は、
4×4÷(4+4)=2[Ω]
これが4Ωと直列接続すると、
2+4=6[Ω]
さらに4Ωと並列接続するため、
6×4÷(6+4)=2.4[Ω]
ということで、答えハになる。
それぞれの抵抗の関係がわかればあとは計算式に当てはめていくだけだから、問題演習を繰り返しながら、2つの抵抗は直列なのか、並列なのかを判断できるようになろう。
演習問題
令和3年度上期 午後
図のような回路で、8Ωの抵抗での消費電力[W]は。
イ . 200
ロ . 800
ハ . 1200
ニ . 2000
まずは全体抵抗を求め、そこから8Ωに流れる電流と電圧を計算し、最後に消費電力[W]を求めよう。
全体抵抗を、20Ωと30Ωの並列の抵抗と、その抵抗と直列する8Ωから求めると、
20×30÷(20+30)+8
=20[Ω]
全体の電圧は200Vなので、電流=電圧÷抵抗より、
200÷20
=10[A]
この電流10Aを使って8Ωの電圧を求めるためには、電圧=電流×抵抗より、
10×8
=80[V]
最後に、消費電力=電圧×電流により、
80×10
=800[W]
正解はロ
令和2年度下期 午前
図のような直流回路に流れる電流I[A]は。
イ . 1
ロ . 2
ハ . 4
ニ . 8
順番としては全体抵抗を計算し、そのあとに回路に流れる電流を求めていくよ。
まず、全体抵抗の計算は、電源から一番離れている、右の4Ωとその左隣の4Ωの並列から始めよう。
4×4÷(4+4)=2
この合成抵抗2Ωは、回路の右側にある2Ωと直列関係にあるから、
2+2=4
ここで、合成抵抗4Ωと残された4Ωが最初の4Ω同士と同じように並列になるため、
4×4÷(4+4)=2
そして、最後の2Ωと直列になるから、
2+2=4[Ω]
この全体抵抗4Ωと電圧16Vに、電流=電圧÷抵抗を当てはめると、
16÷4
=4[A]
正解はハ
令和元年度下期
図のような回路で、端子a – b間の合成抵抗[ Ω ]は。
イ . 1
ロ . 2
ハ . 3
ニ . 4
まず、6Ωの並列だから、
6×6÷(6+6)=3
これに直列で3Ωが加わると、
3+3=6
さらにこの6Ωと外側の3Ωは並列だから、
6×3÷(6+3)
=2[Ω ]
正解はロ
平成30年度下期
図のような回路で、端子a – b間の合成抵抗[Ω]は。
イ . 1
ロ . 2
ハ . 3
ニ . 4
まず、2Ω同士の並列は、
2×2÷(2+2)=1
続いて3Ωと6Ωの並列は、
3×6÷(3+6)=2
この2つは直列だから、
1+2=3
この3Ωと外側の6Ωは並列だから、
6×3÷(6+3)
=2[Ω ]
正解はロ
平成29年度上期
図のような回路で、端子a-b間の合成抵抗[ Ω ]は。
イ . 2.5
ロ . 5
ハ . 7.5
ニ . 15
まず、左の5Ωの並列は、
5×5÷(5+5)=2.5[Ω]
そして、ここで思い出してほしいのが、【一般問題】スイッチを閉じたとき端子間の電圧〔V〕のレッスンで学んだ短絡(ショート)。
電気には電線と並列している抵抗には電流が流れなくなるという性質があるんだ。
つまり、端子a-b間では、電機は残りの5Ωの方を流れず、抵抗のない電線のみの回路を通る。
だから、a-b間の合成抵抗は2.5[Ω]
正解はイ
平成28年度下期
図のような回路で、電流計(A)の値が1Aを示した。このときの電圧計(V)の指示値[ V ]は。
イ . 16
ロ . 32
ハ . 40
ニ . 48
例えば2つの異なる抵抗があるとしよう。
これを直列接続した場合、2つの抵抗に流れる電流[A]は同じだけど、電圧[V]は異なる。
一方、並列接続した場合、2つの抵抗に流れる電圧[V]は同じだけど、電流[A]は異なる。
イメージとしては、直列だと電圧は抵抗に出会うたびに徐々に削られる、並列だと電流は各回路に分散するから減少するという感じで覚えておこう。
さて、この問題は、電流計Aのある並列回路全体と電圧計Vの抵抗は直列関係にあるから、流れる電流は同じ。
つまり、並列回路全体の電流を求め、そこから電圧計Vの電圧[V]を求めていく順番になるよ。
まず、並列回路は電圧[V]が同じ。
電圧=電流×抵抗より、8Ωの回路の電流は1Aだから、
1×8=8[V]
上の4Ωが2つの回路と、一番下の4Ωが1つの回路も8Vなので、電流=電圧÷抵抗よりそれぞれの電流[A]を求めると、
8÷(4+4)=1[A]
8÷4=2[A]
並列回路の電流を合わせると、全体の電流は4Aになる。
この電流は直列する電圧計Vを接続した抵抗にも流れる。
電圧=電流×抵抗より、
4×4=16[V]
正解はイ
平成27年度上期
図のような回路で、端子a-b間の合成抵抗〔Ω〕は。
イ . 1.5
ロ . 1.8
ハ . 2.4
ニ . 3
並列、直列、並列の順番で計算していこう。
まず、小さなサイズの4Ω同士の並列は、
4×4÷(4+4)=2
これが4Ωと直列接続すると、
2+4=6
さらに4Ωと並列接続するため、
6×4÷(6+4)=2.4[Ω]
正解はハ