2021年(令和3年度)第二種電気工事士 上期筆記試験【午後】を解説

小城
今日は2021年5月30日(日)に行われた令和3年度第二種電気工事士 上期筆記試験【午後】の問題と解説を行うよ

一般問題

本問題の計算で√2、√3及び円周率πを使用する場合の数値は次によること。√2=1.41、√3=1.73、π=3.14

問1

図のような回路で、8Ωの抵抗での消費電力[W]は。

イ. 200
ロ. 800
ハ. 1200
ニ. 2000

まず回路全体の抵抗と電流、消費電力を計算しよう。
全体の抵抗は、20×30÷50+8=20Ω
全体の電流は、200÷20=10A
全体の消費電力は、200×10=2000W

そして、全体の抵抗20Ωから8Ωの消費電力を割り出すと、
2000÷20×8=800W
正解は

復習しよう⇒【計算問題】合成抵抗を求める

問2

直径2.6㎜、長さ20mの銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は。
イ. 断面積8㎟、長さ40m
ロ. 断面積8㎟、長さ20m
ハ. 断面積5.5㎟、長さ40m
ニ. 断面積5.5㎟、長さ20m

直径2.6㎜と断面積5.5㎟の抵抗値はほぼ同じ。
正解は
この知識はほかの問題でも問われることが多いから必ず暗記しよう。

復習しよう⇒【一般問題】「Aの抵抗はBの抵抗の何倍」を攻略する

問3

消費電力が400Wの電熱器を1時間20分使用した時の発熱量[kJ]は。
イ. 960
ロ. 1920
ハ. 2400
ニ. 2700

400Wは1秒間の発熱量なので、1時間20分使用時の発熱量にするために60(1分あたり)と80(1時間20分)をかける。
400×60×80=1920000[J]
[kJ]に変換するには1000で割るので、正解は1920の

復習しよう⇒【一般問題】熱量を求める

問4

図のような回路で、電源電圧が24V、抵抗R=4Ωに流れる電流が6A、リアクタンスXL=3Ωに流れる電流が8Aであるとき、回路の力率[%]は。

イ. 43
ロ. 60
ハ. 75
ニ. 80

抵抗に流れる電流が6Aに対して回路全体の電流は10Aなので
6÷10=0.6
力率は60%なのでが正解。

復習しよう⇒【一般問題】リアクタンスと力率

問5

図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。

イ. 2.9
ロ. 5.0
ハ. 5.8
ニ. 10.0

図はスター結線(Y結線・星型結線)した三相3線式回路なので、瞬時に√3を頭に思い浮かべよう。
まず、抵抗に流れる電流を求める。
200×√3=346V
この図の抵抗は20Ωが3つなので60Ω。
電流=電圧÷抵抗なので、
346÷60≒5.8
正解は

問6

図のような単相2線式回路で、c-c´間の電圧が100Vのとき、a-a´間の電圧[V]は。
ただし、r1及びr2は電線の電気抵抗[Ω]とする。

イ. 101
ロ. 102
ハ. 103
ニ. 104

この問題はc-c´間の電圧100Vと、r1・r2の電圧降下の合計を求める。
r1には2つの流れる電流は5+5=10A
電圧=抵抗×電流なので、0.05×10=0.5V
r1は2つあるので、電圧降下は1V
r2も同様に計算すると、電圧降下は1V
100+1+1=102V

問7

図のような単相3線式回路において、消費電力100W、200Wの2つの負荷はともに抵抗負荷である。図中の×印点で断線した場合、a-b間の電圧[V]は。
ただし、断線によって負荷の抵抗値は変化しないものとする。

イ. 67
ロ. 100
ハ. 133
ニ. 150

この問題は、全体の電圧200Vを抵抗負荷の100Ωと50Ωにどう配分するかということが問われている。
単純に200V×100Ω/(100Ω+50Ω)=133Vになる
正解は

丁寧に解説するならば、まずは全体の電流を求め、a-b間の抵抗負荷の100Ω
電流=電圧÷抵抗より200÷(100+50)≒1.33A
電圧=電流×抵抗なのでa-b間は1.33×100=133V

問8

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径1.6㎜の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)6本を収めて施設した場合、電線1本あたりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は30℃以下、電流減少係数は0.56とする。
イ. 15
ロ. 19
ハ. 20
ニ. 27

直径1.6㎜の電線の許容電流は27A。
電流減少係数0.56をかけると、27×0.56≒15.12
正解は
1.6㎜は27A、2.0㎜は35A、2.6㎜は48Aで断面積5.5㎟とほぼ同じ。
このことをしっかりと記憶しておこう

問9

図のように、定格電流100Aの配線用遮断器で保護された低圧屋内幹線からVVRケーブルで低圧屋内電路を分岐する場合、a-b間の長さLと電線の太さAの組合せとして、不適切なものは。
ただし、VVRケーブルの太さと許容電流の関係は表のとおりとする。

イ. L:1m A:2.0㎜
ロ. L:2m A:5.5㎟
ハ. L:10m A:8㎟
ニ. L:15m A:14㎟

これは応用問題だけど、一つずつルールを確認していけば解答できるよ。

まず、分岐回路と過電流遮断器の定格電流の原則を考えてみよう
3m以下は過電流遮断器の定格電流に制限なし
3mを超え8m以下の場合の定格電流は35%以上必要
8mを超えた場合は定格電流は55%以上必要

また、電線の太さAは表の定格電流と結びつくと考えよう。
つまりAが直径2.0㎜のときの定格電流は24A

これをもとに各設問を検討していこう
まず、Lが3m以下のイとロは過電流遮断器が100A未満であれば問題ないので適切。
ハは、Lが8mを超えているので100×0.55=55A以上必要になる。これに対して、電線の太さAは8㎟のため42A。ということで、不適切なものは
ニは、Lが8mを超えているので100×0.55=55A以上必要。電線の太さAは14㎟のため61A。よってこちらは適切。

問10

低圧屋内配線の分岐回路の設計で、配線用遮断器、分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして、不適切なものは。
ただし、分岐点から配線用遮断器までは 3 m、配線用遮断器からコンセントまでは8mとし、電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。
また、コンセントは兼用コンセントではないものとする。

この分岐回路の問題は問10に毎年必ず出題される。
コンセントは遮断機の-10A以下でおさまっているか、電線の太さはコンセントに適切なものなのかがポイントになるよ。
正解は
30Aのコンセントには直径2.6㎜、もしくは断面積5.5㎟の電線を使用する。

問11

金属管工事に使用される「ねじなしボックスコネクタ」に関する記述として、誤っているものは。
イ. ボンド線を接続するための接地用の端子がある。
ロ. ねじなし電線管と金属製アウトレットボックスを接続するのに用いる。
ハ. ねじなし電線管との接続は止めネジを回して,ネジの頭部をねじ切らないように締め付ける。
ニ. 絶縁ブッシングを取り付けて使用する。

ねじなしボックスコネクタの知識は技能試験でも必要になるから必ず覚えておこう。
正解は
とめネジはネジの頭部がねじ切れるまでペンチで締める。

問12

低圧屋内配線として使用する600Vビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度 [°C] は。
イ. 45
ロ. 60
ハ. 75
ニ. 90

基礎的な知識が問われている問題。
正解は

問13

コンクリート壁に金属管を取り付けるときに用いる材料及び工具の組合せとして、適切なものは。
イ. カールプラグ,ステープル,ホルソ,ハンマ
ロ. サドル,振動ドリル,カールプラグ,木ねじ
ハ. たがね,コンクリート釘,ハンマ,ステープル
ニ. ボルト,ホルソ,振動ドリル,サドル

材料・工具が各選択肢に無造作に組み込まれているから、適切かどうかを1つずつ検討していこう。

カールプラグは、コンクリート壁に木ねじを固定させるために使用する
ステープルは、ホチキスの芯のような形をしていて、木造住宅で電線を固定させるために使用する。なので、イとハは×
ホルソは、鋼材や金属板に穴を打ち抜く道具。なので、イとニは×

なので正解は

ハンマは、コンクリートの破砕を行う電動機で、トンカチとは別物
サドルは、コンクリート壁に金属管を固定させるために使用する

問14

三相誘導電動機が周波数60Hzの電源で無負荷運転されている。この電動機を周波数50Hzの電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。
イ. 回転速度は変化しない。
ロ. 回転しない。
ハ. 回転速度が減少する。
ニ. 回転速度が増加する

周波数と回転速度は比例の関係で、周波数が減少すれば回転速度も減少する。
答えは

問15

低圧三相誘導電動機に対して低圧進相コンデンサを並列に接続する目的は。
イ. 回路の力率を改善する。
ロ. 電動機の振動を防ぐ。
ハ. 電源の周波数の変動を防ぐ。
ニ. 回転速度の変動を防ぐ。

コンデンサの役目は回路の力率を改善すること。
必須の知識だから必ず覚えておこう。
正解は

問16

写真の矢印で示す材料の名称は。

イ. 金属ダクト
ロ. ケーブルラック
ハ. ライティングダクト
ニ. 2種金属線ぴ

答えはのケーブルラック。ラックとは入れ物のことで電線を入れてあるのがわかるね。
ちなみにダクトとは導管のこと。写真は導管には見えない。

問17

写真に示す器具の用途は。

イ. 器具等を取り付けるための基準線を投影するために用いる。
ロ. 照度を測定するために用いる。
ハ. 振動の度合いを確かめるために用いる。
ニ. 作業場所の照明として用いる。

出題頻度の少ない写真。選択肢を比較して考えてみよう。
まず、照明にはならなそうだから、ニは誤り。
照度を測定する照度計とは違うから、ロは誤り。
振動の度合いを確かめる振動計だとすると先のとがった端子が本体と一体化していて振動の測定なんてできたもんじゃないから、ハは誤り。
正解はのレーザー墨出し器。

問18

写真に示す工具の電気工事における用途は。

イ. 硬質塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
ロ. 金属管(鋼製電線管)の曲げ加工に用いる。
ハ. 合成樹脂可とう電線管の曲げ加工に用いる。
ニ. ライティングダクトの曲げ加工に用いる。

写真の工具はガスバーナー(もしくはガストーチ)。硬質塩化ビニル電線管の曲げ加工の際に使用する。
なので、正解は
金属管やライティングダクトを火にかけると熱くなって危険だし、合成樹脂管は溶けちゃうよ。

問19

単相100Vの屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で、次のような箇所があった。
a~dのうちから適切なものを全て選んだ組合せとして、正しいものは。

a. 電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆した。
b. 電線の引張強さが 10 % 減少した。
c. 電線の電気抵抗が 5 % 増加した。
d. 電線の電気抵抗を増加させなかった。

イ. aのみ
ロ. b及びc
ハ. b及びd
ニ. a、b及びd

a~dを見てみよう。
ぱっと見たところ、現状に大きく変更をきたさないaとdは正しいように感じるね。
この時点でaとdの組合せているが正解だとわかる。
引張強さは20%未満ならば減少しても大丈夫。
でも、電線の電気抵抗は増加させてはいけないから、cは誤り。

問20

使用電圧300V以下の低圧屋内配線の工事方法として、不適切なものは。
イ. 金属可とう電線管工事で、より線(600Vビニル絶縁電線)を用いて、管内に接続部分を設けないで収めた。
ロ. ライティングダクト工事で、ダクトの開口部を下に向けて施設した。
ハ. 合成樹脂管工事で、施設する低圧配管と水管が接触していた。
ニ. 金属ダクト工事で、電線を分岐する場合、接続部分に十分な絶縁被覆を施し、かつ、接続部分を容易に点検できるようにしてダクトに収めた。

選択肢をそれぞれ検討してみよう。
イはそのとおり。接続は管内ではなくボックスで行おう。
ロも適切。上に向けたら危険
ハは不適切。低圧配線が弱電流電線や水管等と接触してはいけない。
ニも施工方法に問題なし。
正解は

問21

図に示す一般的な低圧屋内配線の工事で、スイッチボックス部分の回路は。ただしⓐは電源からの非接地側電線(黒線)、ⓑは電源からの接地側電線(白色)を示し、負荷には電源からの接地側電線が直接に結線されているものとする。
なお、パイロットランプは100V用を使用する。

どちらかというと技能試験の知識が問われる問題。
確認表示灯はスイッチを入れたときに点灯するので、点灯中のハとニは×。
黒線、白線に加えて、不可と結びつく電線も必要なので、正解は

問22

D種設置工事を省略できないものは。
ただし、電路には定格感度電流30mA、動作時間0.1秒の漏電遮断器が取り付けられているものとする。
イ. 乾燥した場所に施設する三相200V(対地電圧200V)動力配線を収めた長さ4mの金属管。
ロ. 乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200V(対地電圧200V)誘導電動機の鉄台。
ハ. 乾燥したコンクリートの床に施設する三相200V(対地電圧200V)ルームエアコンの金属製外箱部分
ニ. 乾燥した場所に施設する単相3線式100/200V(対地電圧100V)配線の電線を収めた8mの金属管

D種設置工事を省略できる条件は以下の6つのケース。
①交流対地電圧が150〔V〕以下または使用電圧が直流300〔V〕の機械器具を乾燥した場所に施設する場合。
→ニは省略可
②低圧用の機械器具を乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性の物の上で取り扱うように施設する場合。
→イ、ロは省略可。
③電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具に施設する場合。
④低圧用の機械器具に絶縁変圧器(3〔kV・A〕以下)を施設する場合。
⑤水気のある場所以外で低圧用の機械器具に漏電遮断器(定格感度電流15〔mA〕以下、動作時間0.1秒以内)を施設する場合。
⑥鉄台または外箱の周囲に適当な絶縁台を設ける場合。
→ハは「適当な絶縁台」を設けていないので、D種設置工事を省略できない。

よって正解は
上記の中でも①②⑥がよく問われるので覚えておこう。

問23

低圧屋内配線工事で、600Vビニル絶縁電線を合成樹脂管に収めて併用する場合、その電線の許容電流を求めるための電流減少係数に関して、同一管内の電線数と電線の電流減少係数との組合せで、誤っているものは。
ただし、周囲温度は30℃以下とする。
イ. 2本 0.80
ロ. 4本 0.63
ハ. 5本 0.56
ニ. 7本 0.49

電流減少係数の計算問題は頻出だけど、ここでは電線数に対する電流減少係数の正誤を問う、やや難しい問題。
正解は
3本以下の場合の電流減少係数は0.70。電流減少係数の上限は0.70で、そこから0.07ずつ減少していくと覚えておこう。
ちなみに6本は5本と同じ0.56。

問24

低圧回路を試験する場合の測定器とその用途の組み合わせとして、誤っているものは。
イ. 回路計(テスタ) と 導通試験
ロ. 検相器 と 三相回路の相順(相回転の確認)
ハ. 電力計 と 消費電力量の測定
ニ. クランプ式電流計 と 負荷電流の測定

これは同じパターンでよく出題される引っ掛け問題。
答えは
消費電力は電力計で測定する。

問25

アナログ形絶縁抵抗計(電池内蔵)を用いた絶縁抵抗測定に関する記述として、誤っているものは。
イ. 絶縁抵抗測定の前には、絶縁抵抗計の電池容量が正常であることを確認する。
ロ. 絶縁抵抗測定の前には、絶縁抵抗測定のレンジに切り替え、測定モードにし、接地端子(E:アース)と線路端子(L:ライン)を短絡し零点を指示することを確認する。
ハ. 電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は、機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。
ニ. 被測定回路に電源電圧が加わっている状態で測定する。

選択肢を比較してみよう。
イとハは常識的に考えて適切な対応と考えてよさそう。
また、アナログ形絶縁抵抗計を使用する際はロのような作業をする必要がある
誤りは
回路に電圧が加わっていると正確に測定できないから、電源は必ず負荷と切り離そう。

問26

使用電圧100Vの低圧電路に、地絡が生じた場合0.1秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。この電路の屋外にD種接地工事が必要な自動販売機がある。その接地抵抗値a[Ω]と電路の絶縁抵抗値 b[MΩ] の組合せとして、「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。
イ. a 600 b 2.0
ロ. a 450 b 1.0
ハ. a 200 b 0.2
ニ. a 50  b 0.1

やや難問だからわからなくても仕方ない。
ハとニは以下の表に照らし合わせて確認してみると、基準に適合しているのがわかる。

イとロに関して、D種設置工事の接地抵抗値は、地絡を生じた場合に0.5 秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下まで可能。
なので、誤りは

問27

アナログ計器とディジタル計器の特徴に関する記述として、誤っているものは。

イ. アナログ計器は永久磁石可動コイル形計器のように、電磁力等で指針を動かし、触れ角でスケールから値を読み取る。
ロ. ディジタル計器は測定入力端子に加えられた交流電圧などのアナログ波形の入力変換回路で直流電圧に変換し、次にA-D変換回路に送り、直流電圧の大きさに応じたディジタル量に変換し、測定値が表示される。
ハ. アナログ計器は変化の度合いを読み取りやすく、測定量を直感的に判断できる利点を持つが、読み取り誤差を生じやすい。
ニ. 電圧測定では、アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に影響を与えにくいが、ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えやすい。

これも難問。
答えは
アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に影響を与えやすく、ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えにくい

問28

「電気工事士法」において、一般用電気工作物に係る工事の作業で、a、bともに電気工事士でなければ従事できないものは。

イ. a:配電盤を造営材に取り付ける。  b:電線管を曲げる。
ロ. a:地中電線用の管を設置する。    b:定格電圧100Vの電力量計を取り付ける。
ハ. a:電線を支持する柱を設置する。  b:電線管に電線を収める。
ニ. a:接地極を地面に埋設する。  b:定格電圧125Vの差し込み接続器にコードを接続する

頻出問題なので必ず覚えよう。
ポイントは、今まで勉強した知識が役に立つかどうか。
先に正解を言うと、になる。どちらの作業も電線に関する正しい知識を持った電気工事士しかできない。
電線に関する管や柱などの設置作業は電気工事士以外でも作業科できる。
また、電力量計の取り付けやコードの接続も電気工事士以外で問題なし。
電線管に電線を収める作業は電力減少係数の知識、接地極を地面に埋設する際には接地極の役割を知らないといけないから、これらの作業は電気工事士のみが行える。

問29

「電気用品安全法」について述べた記述で、正しいものは。

選択肢を検討してみよう。
ロは、特定電気用品以外の電気用品マークの説明。特定電気用品は〇ではなく◇、(PS)Eではなくて<PS>Eとなるので誤り。注意を促すために角ばっていると覚えよう。
ハの漏電遮断器は特定電気用品になるので誤り。
ニは言い過ぎ。
なので、正解は

問30

「電気設備に関する技術基準を定める省令」で定められている交流の電圧区分で、正しいものは。

イ. 低圧は600V以下、高圧は600Vを超え10000V以下
ロ. 低圧は600V以下、高圧は600Vを超え7000V以下
ハ. 低圧は750V以下、高圧は750Vを超え10000V以下
ニ. 低圧は750V以下、高圧は750Vを超え7000V以下

まず、交流と直流の電圧種別を考えると、交流が600V、直流が750Vになる。
これは必ず覚えよう。ちなみに僕は「直後(流は750)」と覚えたよ。
そうすると、イとロに絞られる。
ここは7000Vが正解。7000V超だと特別高圧になる。
答えは
いずれにせよ、電圧の問題は7がキーワードだと覚えておこう。

配線図問題

図は、鉄筋コンクリート造集合住宅の部分的な配置図である。この図に関する次の各問いには4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。

【注意】
1.屋内配線の工事は、動力回路及び特記のある場合を除き600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)を用いたケーブル工事である。
2.屋内配線等の電線の本数、電線の太さ、その他、問いに直接関係のない部分等は省略又は簡略化してある。
3.漏電遮断器は、定格感度電流30mA,動作時間0.1秒以内のものを使用している。
4.選択肢(答え)の写真にあるコンセント及び点滅器は、「JIS C 0303:2000 構内電気設備の配線用図記号」で示す「一般形」である。
5.ジョイントボックスを経由する電線は、すべて接続箇所を設けている。
6.3路スイッチの記号「0」の端子には、電源側又は負荷側の電線を結線する。

2021-1-pm.jpg

問31

①で示す引込線取付点の地表上の高さの最低値[m]は。
ただし、引込線は道路を横断せず、技術上やむを得ない場合で、交通に支障がないものとする。

イ. 2
ロ. 2.5
ハ. 3
ニ. 5

2mだと背の高い人はぶつかっちゃうね。2.5mだと、まぁほとんどの人は引っかからないでしょう。
ということで、正解は

問32

②で示す配線工事に使用できない電線の記号(種類)は。

イ. VVF
ロ. VVR
ハ. IV
ニ. CV

地中埋設工事に適した電線が問われている。
ケーブルである、VVF(ビニル絶縁ビニル平形シースケーブル)、VVR(ビニル絶縁ビニル丸形シースケーブル)、CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)は施設可能。
IVは屋内用600Vビニル絶縁電線の略で、絶縁電線は地中埋設工事に使用できない。
答えは

問33

③で示す図記号の器具の種類は。

イ. 熱線式自動スイッチ
ロ. 遅延スイッチ
ハ. 確認表示灯を内蔵する点滅器
ニ. 位置表示等を内蔵する点滅器

「H」は位置表示灯。確認表示灯は「L」なので注意しよう。
正解は

問34

④で示す図記号の機器は。

イ. 電流計付開閉器
ロ. 電動機の力率を改善する低圧進相用コンデンサ
ハ. 制御配線の信号により動作する開閉器(電磁開閉器)
ニ. 電動機の始動装置

④の記号は電磁開閉器。
電流計付開閉器の記号は、Ⓢが□で囲われている。間違えないように区別して覚えよう。
正解は

問35

⑤で示す機器の定格電流の最大値[A]は。

イ. 15
ロ. 20
ハ. 25
ニ. 30

この問題では、配線用遮断器が接続可能なコンセントは20A以下、という知識が必要になる。
その上で、平面図でⓗの場所を確認すると、無印のコンセントに接続されている。
コンセントは定格電流が30Aの場合は図記号に30Aと表記されるが、15A以上20A以下の場合は何も表記されない。
そのため、⑤の定格電流の最大値は20Aになる。
正解は

問36

⑥で示す図記号の器具の名称は。

イ. リモコンリレー
ロ. リモコンセレクタスイッチ
ハ. 火災表示灯
ニ. 漏電遮断器

⑥はリモコンリレー。分電盤内に取り付けられている。
リモコンリレーはリモコンセレクタスイッチから送られてくる入力信号を受けて、オンオフの切り替えを行う。
正解は

問37

⑦で示す部分の接地工事における接地抵抗の許容される最大値[Ω]は。
なお、引込線の電源側には地絡遮断装置は設置されていない。

イ. 10
ロ. 100
ハ. 300
ニ. 500

300V以下はD種接地工事になるよ。
というか、第二種電気工事士試験でC種接地工事を問われることはまずないと思っていい。
そして、ポイントは「引込線の電源側には地絡遮断装置は設置されていない」こと。
この条件での抵抗値は100Ω以下になるため、正解は

ちなみに問26のように、地絡を生じた場合に0.5 秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときの最大値は500Ωになる。

この問題、地絡遮断装置が設置されている場合は500Ω、設置されていない場合は100Ωだと考えて記憶しておこう。

問38

⑧で示す図記号の器具の名称は。

イ. 電磁開閉器用押しボタン
ロ. フロートスイッチ
ハ. 圧力スイッチ
ニ. フロートレススイッチ電極

「LF」はフロートレスの略。
正解は

問39

⑨で示す部分の最小電線本数(心線数)は。

イ. 2
ロ. 3
ハ. 4
ニ. 5

⑨は上下のジョイントボックスを結んでいるが、スイッチと負荷の電線がボックス間を行き来していないため、単純に心線は接地側電線と非接地側電線の2本のみになる。
正解は

問40

⑩で示す部分は引掛形のコンセントである。
その図記号の傍記表示は。

イ. T
ロ. LK
ハ. EL
ニ. H

それぞれ選択肢を見ていこう。
イの「T」はTwist(ひねる)、転じて引掛形コンセント。
ロの「LK」はLock(ロック)、つまり抜け止め形コンセント。
ハの「EL」はEarth Leakage(漏電)、つまり漏電遮断器付コンセント。トイレで見かける。
ニの「H」はHospital(病院)、つまり医用コンセント。医療機関のみに施設。
ということで、イとロの区別をしっかりつけておけば解ける問題だね。
正解は

問41

⑪で示す図記号の機器は。


⑪の記号は漏電遮断器なので、配線用遮断器のイとハは×。
また、配線図に書かれた「(欠相保護付)」に対応していないイとロは×。
欠相保護付漏電遮断器のが正解。

問42

⑫で示すボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合のリングスリーブの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。
ただし、使用する電線はすべてVVF 1.6とし、地下1階へ至る配線の電線本数(心線数)は最少とする。

電線の太さは1.6㎜の電線のため、2本~4本の接続は小、5本以上は中のリングスリーブの使用する。

このボックスでは、地下1階のポンプ室にある照明アと3路スイッチ・ア、それと1階からの配線が接続される。

一見複雑そうだけど、普通に3路スイッチの接続だと考えれば大丈夫。

まず、照明アは、接地側電線と結びついている1階にある照明アと接続する。
接続する電線は2本なのでリングスリーブは小。

また、照明アは同じ地下1階の3路スイッチ・アと結びつく。
接続する電線は2本なのでリングスリーブは小。

次に3路スイッチ・アは、1階の3路スイッチ・アから伸びる配線2本とそれぞれ接続する。
接続する電線はそれぞれ2本なのでリングスリーブは小を2つ使用。

そのため、必要なリングスリーブは小×4。

正解は

問43

⑬で示す地下1階のポンプ室内で使用されていないものは。

イはねじなし露出スイッチボックス。一番下にあるスイッチ・オを取り付ける際に使用する。
ロはプルボックス。真ん中にある☒。
ニはフロートスイッチ。☒の下にある、二重丸にF(フロート)が書かれた記号。

ハのリモコンスイッチはポンプ室にはない。

正解は

問44

⑭で示す部分の配線工事に必要なケーブルは。
ただし、心線数は最少とする。

問42が解ければ迷うことのない問題だね。
必要な心線は接地側電線、照明ア同士を電線、3路スイッチで使用する2本の電線だから4本。

4本の心線があるケーブルはハ。

正解は

問45

⑮で示す部分の工事で、一般的に使用されることのないものは。

この工事はねじなし電線管工事。
イはパイプバイス。金属管を切断する時に固定するために使用する。
ロはパイプベンダ。金属管を曲げる用途で使用する。
ハは金切りのこ。金属管の切断に使用する。
ニはリード型ねじ切り器。金属管のねじ切りに使うけど、ねじなし電線管工事には使わない。
答えは

問46

⑯で示す部分の工事で、一般的に使用されることのないものは。

問45に引き続き、ねじなし電線管工事に使用されない器具を検討しよう。
ニは、ねじ穴を回し入れる形状だからどう見てもあやしい。これはカップリングで、ねじのある金属管同士の接続に使う。ねじなし電線管同士の接続には、ねじなしカップリングを使用する。
なので、答えは
イはねじなしボックスコネクタ。
ロはノーマルベンドで、ねじなし電線管用として先端部に固定させるねじ切りが付いている。
ハは金属製サドル。ねじの有無に関わらず金属管に使用する。

問47

⑰で示すボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合、使用するリングスリーブの種類と最少個数の組み合わせで、適切なものは。
ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

本問は差込形コネクタを使用するので、接続する本数がわかれば回答できる。

まずは、©から出ている非接地側の電線の接続を考えよう。
上のジョイントボックス、アのスイッチと接続するので、3本の差込形コネクタを使用する。

一方、接地側は上のジョイントボックス、左の照明ア、地下1階の照明アと接続するので、4本の差込形コネクタを使用する。

さて、ややこしい3路スイッチについて考えてみよう。
まず、接地側電線と接続した1階の照明アは地下1階の照明アと結びつく。
次に、非接地側電線と接続した3路スイッチ・アは、地下1階の3路スイッチ・アと2本の線で接続する。
そのため、3路スイッチを接続するためにボックス内で2本の差込形コネクタを3つ使用することになる。

使用する差込形コネクタは2本×3、3本×1、4本×1。
正解は

問48

⑱で示すボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合、使用する差込形コネクタの種類と最小個数の組合せで、正しいものは。
ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

電線の太さは1.6㎜の電線のため、2本接続は〇、3、4本は小、5本以上は中のリングスリーブの使用する。

まずは⑰のジョイントボックスからきている接地側(白)と非接地側(黒)の電線の接続を考えてみよう。

接地側電線は二つの照明イと、右下にあるコンセントと結びつく。
電線の合計は4本だからリングスリーブは小。

非接地側電線はイのスイッチ、右下にあるコンセントと結びつく。
電線の合計は3本だからリングスリーブは小。

最後に二つの照明イと、イのスイッチを接続すると、電線は合計3本だからリングスリーブは小。

使用するリングスリーブは小×3。

正解は

問49

この配線図の図記号から、この工事で使用されているコンセントは。

2021-1-pm.jpg

今回は使用されているコンセントを探す問題だ。
選択肢を見ると、WP対応か接地極の有無がポイントになることがわかるよ。
配線図1階の自販機付近にあるEETがあるコンセントは、接地極付接地端子付コンセントのこと。
この選択肢の中にあるニは、まさに接地極付接地端子付コンセント。
正解は

問50

この配線図の図記号から、この工事で使用されていないスイッチは。
ただし、写真下の図は、接点の構成を示す。

2021-1-pm.jpg

イは、地下1階受水槽室の右上にある◎BL(確認表示灯付電磁開閉器用押しボタン)。
ロは、1階の③。
ハは、地下1階の⑧。
この工事で使用されていないスイッチは
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