【2022年(令和4年度)】第二種電気工事士 下期筆記試験【午後】を解説

KOJO
今日は2022年10月30日(日)に行われた令和4年度第二種電気工事士 下期筆記試験【午後】の問題と解説を始めるよ。

▼問1〜30一般問題の速報解説

▼問31~50配線図問題の速報解説

午前試験はこちら⇒【2022年(令和4年度)】第二種電気工事士 下期筆記試験【午前】を解説

一般問題

 本問題の計算で√2、√3及び円周率πを使用する場合の数値は次によること。√2=1.41、√3=1.73、π=3.14

 次の各問いには4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
 なお,選択肢が数値の場合は最も近い値を選びなさい。

問1

図のような直流回路で,a-b 間の電圧 [V] は。

イ.20
ロ.30
ハ.40
ニ.50

回路の電流を計算しよう

回路全体の電圧は100V+100V=200V。

同様に回路全体の抵抗は40Ω+60Ω=100Ω。

電流=電圧÷抵抗より、回路全体の電流は2Aになる。

ところで、a-b間の右上にある40Ωの電圧は、40×2=80V。

この40Ωの電圧とa-b間の電圧を足し算すると100Vになる。

そのため、100V-80Vより、a-b間の電圧 [V] は20Vになる

正解は

問2

抵抗R[Ω]に電圧V[V]を加えると,電流I[A]が流れ,P[W]の電力が消費される場合,抵抗R[Ω]を示す式として,誤っているものは。

前提として、

①抵抗R=電圧V/電流I…イ

②電力P=電圧V×電流I

を覚えておこう

①の電圧Vに、②の電圧Vを代入すると、

(電力P/電流I)/電流I=P/I²…ロ

また、①の電流Iに②の電流Iを代入すると、

電圧V/(電力P/電圧V)=V²/P…ハ

正解は

問3

抵抗器に100Vの電圧を印加したとき,4Aの電流が流れた。1時間20分の間に抵抗器が発生する熱量[kJ]は。
イ.960
ロ.1920
ハ.2400
ニ.2700

熱量の問題は、今までは接続不良によって発生する熱量を求める問題が出題されてきたんだけど、最近は印加(電圧を加えるという意味)したときに抵抗器に流れる熱量を求める問題に変更になった。

でも、計算方法は同じ。

電力を求めて、そこに1秒あたりの熱量[J]を算出し、最後に[J]を1,000で割って[kJ]に変換するだけ。

電圧[V]×電流[I]=電力[W]より
熱量は100×4=400[W]

1時間20分を秒に換算すると、
400×60×80=1,920,000[J]

1,000[J]=1[kJ]なので、
1,920[kJ]

正解は

復習しよう⇒【一般問題】熱量を求める

問4

図のような交流回路の力率 [%] を示す式は。

これは公式を暗記していないと解けない問題なので、イメージを描きながら暗記をしましょう

この問題では抵抗負荷Rが交流電力をうまく使えたかどうかが問われています。
そう考えると100Rが分子になるのが正しいですね。

次に、分母には回路全体の抵抗が入ります。
回路全体の抵抗は抵抗負荷同士であれば単純な足し算で合成抵抗が計算できます。
しかし、図は抵抗とコンデンサの組み合わせなので合成インピーダンスを求めることになります。

合成インピーダンスは直角三角形と同様、抵抗とリアクタンスをそれぞれ2乗したものを足し、最後に√で平方根を求めます。
√R²+X²

正解は

※2020年下期午後問4にも同じ問題が出題

問5

図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。

イ.8.3
ロ.11.6
ハ.14.3
ニ.20

Y字のスター結線をみたら√3を頭に思い浮かべよう。

求める必要のある相電圧は、電圧E÷√3で計算できる。

また、電流I=電圧E÷抵抗Rなので

200÷10÷√3

≒11.6

正解は

※2021年下期午後にも同じ問題が出題

問6

図のように、電線のこう長8mの配線により、消費電力2000Wの抵抗負荷に電力を供給した結果、負荷の両端の電圧は100Vであった。配線における電圧降下[V]は。
ただし、電線の電気抵抗は長さ1000m当たり5.0Ωとする。

イ.0.2
ロ.0.8
ハ.1.6
ニ.2.4

まず回路の電流を計算すると、

2000÷100=20A

次に2本の電線の抵抗を計算、

5÷1000×8×2=0.08

抵抗×電流=電圧より

0.08×20=1.6

正解は

問7

図のような単相3線式回路で,電線1線当たりの抵抗が0.1Ω,抵抗負荷に流れる電流がともに20Aのとき,この電線路の電力損失[W]は。

イ.40
ロ.69
ハ.80
ニ.120

単相3線式の場合、真ん中の中性線に電流は流れないから上下の2つの抵抗負荷の電力損失を考えよう。

電力損失W=電流I×電圧E、電圧E=電流I×抵抗Rより、

20×20×0.1×2

=80〔W〕

正解は

※2021年下期午後問7にも同じ問題が出題

問8

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)5本を収めて施設した場合、電線1本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は30℃以下、電流減少係数は0.56とする。
イ.15
ロ.19
ハ.27
ニ.35

電線の太さごとに決められた許容電流と、同一管内の電線数によって決められた電流減少係数を掛け算する。

直径2.0mmの許容電流は35V

電流減少係数は0.56

35×0.56≒19

正解は

※2021年下期午後問8にも同じ問題が出題

問9

図のように定格電流50Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,7mの位置に過電流遮断器を施設するとき,a-b間の電流の許容電流の最小値[A]は。

イ.12.5
ロ.17.5
ハ.22.5
ニ.27.5

分岐点から3m以上8m未満の場合、電線の許容電流は35%以上必要になる。

50×0.35=17.5

正解は

問10

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。
ただし,分岐点から配線用遮断器までは3m,配線用遮断器からコンセントまでは8mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。
また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

まず、設置可能なコンセントの定格電流は、配線用遮断器と同じか、配線用遮断器の10A以下までだから、ロとハは×

また、30Aの配線用遮断器には2.6mmの太さの電線を使用する。

正解は

問11

プルボックスの主な使用目的は。
イ.多数の金属管が集合する場所等で、電線の引き入れを容易にするために用いる。
ロ.多数の開閉器類を集合して設置するために用いる。
ハ.埋込みの金属管工事で、スイッチやコンセントを取り付けるために用いる。
ニ.天井に比較的重い照明器具を取り付けるために用いる。

プルボックスとは電線をまとめて収納するための装置のこと。

配線を収納して分岐や敷設を容易にする目的で使われる。

技能試験でも使用している問題もあるから用途を改めて確認しよう。

正解は

問12

使用電圧が300V以下の屋内に施設する器具であって、付属する移動電線にビニルコードが使用できるものは。
イ.電気扇風機
ロ.電気こたつ
ハ.電気こんろ
ニ.電気トースター

この手の問題は連想しながら考えてみよう。

ビニルコードは熱に弱い素材なので、発熱する器具には適さない。

それを考えると電気扇風機が妥当に思えてくる。

正解は

問13

電気工事の種類と、その工事で使用する工具の組合せとして、適切なものは。
イ.金属線ぴ工事とボルトクリッパ
ロ.合成樹脂管工事とパイプベンダ
ハ.金属管工事とクリックボール
ニ.バスダクト工事と圧着ペンチ

2022年上期午前問13とまったく同じ

ボルトクリッパはチェーンなどの鉄線を切断する器具で、金属線ぴの切断には使用しないからイは×

パイプベンダは金属管を曲げる器具で、合成樹脂管工事には適さないからロは×

クリックボールは先端にリーマをつけて金属管の面取りを行う器具。この組み合わせは適切だね。

バスダクト工事ではケーブルを使わないため、ケーブル工事で使用する圧着ペンチの出番もない。だからニは×

正解は

※2022年上期午前問13にも同じ問題が出題

問14

三相誘導電動機が周波数50Hzの電源で無負荷運転されている。この電動機を周波数60Hzの電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。
イ.回転速度は変化しない。
ロ.回転速度しない。
ハ.回転速度が減少する。
ニ.回転速度が増加する。

2022年上期午前問14とまったく同じ問題。

三相誘導電動機の周波数と回転速度は比例の関係で、周波数が増加すれば回転速度も増加する。

正解は

※2022年上期午前問14にも同じ問題が出題

問15

過電流遮断器として低圧電路に施設する定格電流40Aのヒューズに80Aの電流が連続して流れたとき、溶断しなければならない時間[分]の限度(最大の時間)は。
ただし、ヒューズは水平に取り付けられているものとする。
イ.3
ロ.4
ハ.6
ニ.8

これは新しいタイプの問題。

悩んだ人も多かったのではないでしょうか。

まず、ヒューズの定格電流の区分で考えると、この定格電流40Aのヒューズは「30A超、60A以下」の区分に入る。

この区分の溶断時間は、定格電流の1.6倍の電流が通じた場合は60分、定格電流の2倍の電流が通じた場合は4分になる。

このケースはヒューズの定格電流の2倍の80Aが流れているから、溶断しなければならない時間の限度は4分

正解は

問16

写真に示す材料の名称は。

イ.無機絶縁ケーブル
ロ.600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形
ハ.600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
ニ.600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形

EM-EEFは600Vポリエチレン絶縁耐燃ポリエチレンシースケーブルのこと。

左の写真のTAINENも大きなヒント。

正解は

問17

写真に示す器具の用途は。

イ.照明器具の明るさを調整するのに用いる。
ロ.人の接近による自動点滅器に用いる。
ハ.蛍光灯の力率改善に用いる。
ニ.周囲の明るさに応じて街路灯などを自動点滅させるのに用いる。

この器具は熱線センサ付自動スイッチ(点滅器)

人が接近すると自動で照明が点灯する。

正解は

問18

写真に示す器具の用途は。

イ.三相回路の相順を調べるのに用いる。
ロ.三相回路の電圧の測定に用いる。
ハ.三相電動機の回転速度の測定に用いる。
ニ.三相電動機の軸受けの温度の測定に用いる。

この器具は検相器

三相3線式の回路の相順を計測するために使用する。

正解は

問19

600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mmを使用した低圧屋内配線工事で、絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として、不適切なものは。
ただし、ビニルテープはJISに定める厚さ約0.2mmの電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする。

イ.リングスリーブにより接続し、接続部分を自己融着性絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて1回(2層)巻き、更に保護テープ(厚さ約0.2mm)を半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
ロ.リングスリーブにより接続し、接続部分を黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ(厚さ約0.5mm)で半幅以上重ねて2回(4層)巻いた。
ハ.リングスリーブにより接続し、接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて1回(2層)巻いた。
ニ.差込形コネクタにより接続し、接続部分をビニルテープで巻かなかった。

この手の問題は、選択肢を比較して一番対応が手薄なものを疑ってみよう。

まず、ニの差込型コネクタは絶縁処理が不要なので除外。

次にロとハを比べてみよう。

絶縁処理に同じ厚さのテープを使用しているのに、巻いている層が3倍違うことがわかるね。

そう考えるとハが疑わしいことがわかる。

正解は

※2022年上期午前問19にも同じ問題が出題

問20

次表は使用電圧100Vの屋内配線の施設場所による工事の種類を示す表である。表中のa~fのうち、「施設できない工事」を全て選んだ組合せとして、正しいものは。

イ.a
ロ.b,f
ハ.e
ニ.e,f

これはやや難問なので、わからなければ飛ばしちゃっても仕方ない。

この設問のポイントは、展開した湿気の多い場所で施設できるかどうか。

金属線ぴ工事と金属ダクト工事は、水分が入り込んで漏電してしまう可能性があるから乾燥した場所でのみ施設できる。

ちなみに、金属線ぴ工事を点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所に施設するのは問題ない。

施設場所と工事の問題に関しては応用問題の出題が増えているから間違えたら必ず復習しよう。

正解は

※2022年上期午後問20にも同じような問題が出題

問21

図に示す一般的な低圧屋内配線の工事で、スイッチボックス部分におけるパイロットランプの異時点滅(負荷が点灯していないときパイロットランプが点灯)回路は。
ただし、aは電源からの非接地側電線(黒色)、bは電源からの接地側電線(白色)を示し、負荷には電源からの接地側電線が直接に結線されているものとする。
なお、パイロットランプは100V用を使用する。

ポイントは異時点滅

イとニはスイッチを入れるとパイロットランプも点滅するので×。

ハは常時点滅なので×。

抵抗のある回路とない回路が並列していた場合、電流は抵抗のない方のみを流れるため、ロは異時点滅になる。

正解は

問22

D種接地工事を省略できないものは。
ただし、電路には定格感度電流30mA、定格動作時間0.1秒の漏電遮断器が取り付けられているものとする。

イ.乾燥した場所に施設する三相200V(対地電圧200V)動力配線の電線を収めた長さ3mの金属管。
ロ.乾燥した場所に施設する単相3線式100/200V(対地電圧100V)配線の電線を収めた長さ6mの金属管。
ハ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200V(対地電圧200V)空気圧縮機の金属製外箱部分。
ニ.乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200V(対地電圧200V)誘導電動機の鉄台。

D種接地工事の省略できる条件は6つ。

まずはどの場所で機械・器具が使われているかを考えよう。

というのも、水気のある場所でのD種接地工事は必須のため、D種接地工事は省略することはできない。

さらに、コンクリートは吸湿性があって絶縁がなく、乾燥していようが水気のある場所として扱われる。

D種接地工事の省略の可否が問われたら、まず選択肢にコンクリートがないか探してみよう。

正解は

問23

低圧屋内配線工事で、600Vビニル絶縁電線を金属管に収めて使用する場合、その電線の許容電流を求めるための電流減少係数に関して、同一管内の電線数と電線の電流減少係数との組合せで、誤っているものは。
ただし、周囲温度は30℃以下とする。
イ.2本  0.80
ロ.4本  0.63
ハ.5本  0.56
ニ.6本  0.56

電線数に対する電流減少係数の正誤を問う、やや難しい問題です。
3本以下の場合の電流減少係数は0.70。

電流減少係数の上限は0.70で、4本で0.63、5本・6本で0.56、7本~15本で0.49と段階的に0.07ずつ減少していきます。

「3本以下の電力減少係数は0.70」と暗記しておきましょう。

正解は

問24

低圧電路で使用する測定器とその用途の組合せとして、誤っているものは。

イ.絶縁抵抗計と絶縁不良箇所の確認
ロ.回路計(テスタ)と導通の確認
ハ.検相器と電動機の回転速度の測定
ニ.検電器と電路の充電の有無の確認

ハの検相器は三相回路の相順を測定するために使用する。

正解は

問25

図のような単相3線式回路で、開閉器を閉じて機器Aの両端の電圧を測定したところ120Vを示した。この原因として、考えられるものは。

イ.a線が断線している。
ロ.中性線が断線している。
ハ.b線が断線している。
ニ.機器Aの内部で断線している。

頻出問題。

この問題で100Vよりも高い電圧を示した場合は、迷わず「中性線が断線している。」を選択しよう。

「a線が断線している。」場合、機器Aの上側に電気が流れないから、電圧は0V

「b線が断線している。」場合、機器Aには通常通り電流・電圧が流れるから、電圧は100V

「機器Aの内部で断線している。」場合、機器Aはダメでもその両端には電流が流れるから、電圧は100Vになる。

「中性線が断線している。」場合、電圧は機器Aと機器Bの抵抗によって決定する。

そのため、120Vになる可能性もある。

正解は

復習しよう⇒【一般問題】断線

問26


イ.(A)0.4  (B)C種  (C)10
ロ.(A)0.2  (B)C種  (C)500
ハ.(A)0.2  (B)D種  (C)100
ニ.(A)0.2  (B)D種  (C)500

この問題は、電気設備に関する技術基準を定める省令にある絶縁抵抗値表を思い描けるかが問われている。
絶縁抵抗値表

使用電圧300V以下かつ対地電圧150Vを超える場合、0.2MΩ以上の絶縁抵抗値が必要になる。

さらに、この条件で行う接地工事はD種接地工事が該当する。

また、接地抵抗値は通常は100Ω。

もし、0.5秒以内に動作する漏電遮断機を施設している場合の接地抵抗値は最大500Ωになる。

問題文を最後までよく読んで解答しよう。

正解は

問27

単相3線式回路の漏れ電流の有無を、クランプ形漏れ電流計を用いて測定する場合の測定方法として、正しいものは。
ただし、網掛け線は中性線を示す。

単相3線式回路の漏れ電流は中性線を含めた3本の電線を挟み込んで測定する。

正解は

問28

「電気工事士法」において、一般用電気工作物の工事又は作業で電気工事士でなければ従事できないものは。
イ.インターホーンの施設に使用する小型変圧器(二次電圧が36V以下)の二次側の配線をする。
ロ.電線を支持する柱、腕木を設置する。
ハ.電圧600V以下で使用する電力量計を取り付ける。
ニ.電線管とボックスを接続する。

まず、ロの電線を支持する柱などを設置することは電線の接続に直接関係ないから電気工事士以外も従事できる。

イとハは電気工事法で「軽微な工事」と分類されていて、電気工事士以外でも従事できる。

ニはまさに技能試験の出題そのもので、電気工事士として正しい知識を身につけて従事しなければいけない工事。

正解は

問29

「電気用品安全法」の適用を受ける次の電気用品のうち、特定電気用品は。
イ.定格消費電力20Wの蛍光ランプ
ロ.外径19mmの金属製電線管
ハ.定格消費電力500Wの電気冷蔵庫
ニ.定格電流30Aの漏電遮断器

イとハは普通の家電だから×

ロは電線管だから特定電気用品には該当しない
ケーブルなどの電線は特定電気用品に含まれる。

ニの漏電遮断機は特定電気用品。この手の出題で高確率で登場するから必ず覚えよう。

正解は

問30

一般用電気工作物に関する記述として、誤っているものは。
イ.低圧で受電するもので、出力60kWの太陽電池発電設備を同一構内に施設するものは、一般用電気工作物となる。
ロ.低圧で受電するものは、小出力発電設備を同一構内に施設しても一般用電気工作物となる。
ハ.低圧で受電するものであっても、火薬類を製造する事業場など、設置する場所によっては一般用電気工作物とならない。
ニ.高圧で受電するものは、受電電力の容量、需要場所の業種にかかわらず、一般用電気工作物とならない。

50kW未満の太陽電池発電設備20kW未満の風力発電設備などは小出力発電設備とされて、一般電気工作物の扱いを受ける。

なのでロは正しいけど、イの出力60kWの太陽電池発電設備は該当しない。

火薬類を製造する事業場などは、低圧で受電するものであっても自家用電気工作物として扱われるため、ハの記述のように一般用電気工作物とならない。

一般用電気工作物は低圧で受電するものに限られるため、ニは正しい。

正解は

配線図問題

図は,木造1階建住宅の配線図である。この図に関する次の各問いには4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。
【注意】
1.屋内配線の工事は,特記のある場合を除きビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)を用いたケーブル工事である。
2.屋内配線等の電線の本数,電線の太さ,その他,問いに直接関係のない部分等は省略又は簡略化してある。
3.漏電遮断器は,定格感度電流30mA,動作時間0.1秒以内のものを使用している。
4.選択肢(答え)の写真にあるコンセントは,「JIS C 0303:2000 構内電気設備の配線用図記号」で示す「一般形」である。
5.ジョイントボックスを経由する電線は,すべて接続箇所を設けている。
6.3路スイッチの記号「0」の端子には,電源側又は負荷側の電線を結線する。
2022-2-pm-haisenzu

問31

①で示す部分にペンダントを取り付けたい。
図記号は。

ペンダントライトの図記号はハ

イはシャンデリア、ニはシーリングライト

ちなみに、ペンダントライトの右下にCPのアルファベットがあるものはチェーンペンダント。

正解は

問32

②で示す図記号の名称は。

イ.一般形点滅器
ロ.一般形調光器
ハ.ワイドハンドル形点滅器
ニ.ワイド形調光器

ワイド形の図記号はひし形で表示する。

また、調光器は図記号に斜めの矢印()が入るけど、点滅器はそのままになる。

正解は

問33

③で示すコンセントの極配置(刃受)は。

この設問では単相100V用20Aに対応するコンセントが求められています。

ハは単相100V用で、15Aと20Aに対応している

イとニは単相200V用。

ロは単相100V用だけど、15A用のみに対応するコンセント。

正解は

問34

④で示す部分の工事方法として、適切なものは。

イ.金属管工事
ロ.金属可とう電線管工事
ハ.金属線ぴ工事
ニ.600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(単心3本のより線)を使用したケーブル工事

地中埋設工事で使用できるのはケーブルだけ

地中への埋設工事が出題されたら、すぐさまケーブル工事を連想しよう。

正解は

問35

⑤で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として、許容される最小値[MΩ]は。

イ.0.1
ロ.0.2
ハ.0.4
ニ.1

⑤の分電盤L-1を確認してみよう。

使用電圧200V・対地電圧150Vの単相3線式の電路だということがわかるね。

「電気設備に関する技術基準を定める省令」に定められた電路の使用電圧の区分に当てはめてみよう。

絶縁抵抗値表

「使用電圧300V以下、かつ対地電圧150V以下」に該当するため絶縁抵抗値は0.1MΩ以上が必要なことがわかるね。

絶縁抵抗値表をマスターするだけで5問近く取れるから、必ず思い出せるようにしよう。

正解は

問36

⑥で示す部分の接地工事の種類及びその接地抵抗の許容される最大値[Ω]の組合せとして、正しいものは。


イ.C種接地工事  10Ω
ロ.C種接地工事  100Ω
ハ.D種接地工事  100Ω
ニ.D種接地工事  500Ω

前の35問と同じく「電気設備に関する技術基準を定める省令」の区分で「使用電圧300V以下、かつ対地電圧150V以下」に該当するから、接地工事はD種接地工事を施設する。

また、問題文の【注意3】より、0.5秒以内の動作する漏電遮断機が使用されているため、接地抵抗の許容される最大値は500Ωになるよ。

正解は

問37

⑦で示す部分の最少電線本数(心線数)は。

イ.2
ロ.3
ハ.4
ニ.5

この下にあるブランケットライト「セ」につながる電線を考えるとわかりやすい。

電源©の接地側電線(白線)と、同じ階の3路スイッチ「セ」の2本の電線と接続するため、少なくとも3本の電線が必要になる。

正解は

問38

⑧で示す部分の配線で(PF22)とあるのは。

イ.外径22mmの硬質ポリ塩化ビニル電線管である。
ロ.外径22mmの合成樹脂製可とう電線管である。
ハ.内径22mmの硬質ポリ塩化ビニル電線管である。
ニ.内径22mmの合成樹脂製可とう電線管である。

PF(Plastic Flexible Conduit)は合成樹脂製可とう電線管のことを意味している。

合成樹脂製可とう電線管は樹脂製で管に厚みがあるため、太さは内径を基準にしているよ。

正解は

問39

⑨で示す部分の小勢力回路で使用できる電圧の最大値[V]は。

イ.24
ロ.30
ハ.40
ニ.60

小勢力回路で使用できる電圧は60V以下。

これは暗記必須だから必ず覚えよう。

正解は

※2022年上期午後にも同じ問題が出題

問40

⑩で示す図記号の配線方法は。

イ.天井隠ぺい配線
ロ.床隠ぺい配線
ハ.天井ふところ内配線
ニ.床面露出配線

この図記号は床隠ぺい配線

線の点々の間隔が細かい露出配線の図記号と似ているから区別できるように注意しよう。

正解は

復習しよう⇒【配線図問題】配線

問41

⑪で示すボックス内の接続をすべて差込形コネクタとする場合、使用する差込形コネクタの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。
ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

まず、電源を確認してみよう。

左下にあるL-2から⑪のアウトレットボックスにきているのがわかるね。

接地側電線(白線)は、右のアウトレットボックス、DL「ヌ」、パイロットランプ「ニ」、壁掛け蛍光灯「ニ」と接続するため、5本の差込形コネクタを使用する。

非接地側電線(黒線)は、右のアウトレットボックス、スイッチ「ヌ」、スイッチ「ニ」と接続するため、4本の差込形コネクタを使用する。

あとは、壁掛け蛍光灯「ニ」とスイッチ「ニ」、DL「ヌ」とスイッチ「ヌ」にそれぞれ2本の差込形コネクタを使用する。

なので、2本の差込形コネクタを2個、4本の差込形コネクタを1個、5本の差込形コネクタを1個を使用する

正解は

問42

⑫で示すボックス内の接続をリングスリーブで圧着接続した場合のリングスリーブの種類、個数及び圧着接続後の刻印との組合せで、正しいものは。
ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。また、写真に示すリングスリーブ中央の○、小、中は刻印を表す。

まず、リングスリーブをチェックしよう。

心線の太さはすべて1.6㎜なので、5本以上接続で「中」、4本・3本で「小」、2本で「〇」のリングスリーブを使うことがわかるね。

次に浴室のⓐから引いている接地側電線(白線)と非接地側電線(黒線)と接続する電線を考えてみる。

接地側電線(白線)は、CL「キ」、蛍光灯「コ」、便所前(左)のVVF用ジョイントボックス、玄関(上)のVVF用ジョイントボックスと接続するため、リングスリーブ「中」を使用する。

非接地側電線(黒線)は、スイッチ「キ」「コ」、便所前(左)のVVF用ジョイントボックス、玄関(上)のVVF用ジョイントボックスと接続するため、リングスリーブ「小」を使用する。

あとは、CL「キ」とスイッチ「キ」、蛍光灯「コ」とスイッチ「コ」をそれぞれ接続するため、リングスリーブ「〇」を2個使用する。

まとめると、リングスリーブ「中」1個、リングスリーブ「小」1個、リングスリーブ「〇」2個が必要になる。

正解は

問43

⑬で示す部分の配線工事に必要なケーブルは。
ただし、使用するケーブルの心線数は最少とする。

先程の問42からわかるように、この部分には接地側電線(白線)と非接地側電線(黒線)のみが必要なので、心線数は2つあれば十分。

正解は

問44

⑭で示すボックス内の接続をすべて圧着接続とする場合、使用するリングスリーブの種類と最少個数の組合せで、正しいものは。
ただし、使用する電線はすべてVVF1.6とする。

まず、リングスリーブをチェックすると、問42と違ってリングスリーブ「〇」がない。

心線の太さはすべて1.6㎜なので、5本以上接続で「中」、4本以下は「小」になる。

また、問42と問43より、電源が下のVVF用ジョイントボックスからきていることもわかるね。

接地側電線(白線)は、Ⓣのチャイム用変圧器、蛍光灯「エ」、蛍光灯「カ」、蛍光灯「オ」と接続するため、リングスリーブ「中」を使用する。

非接地側電線(黒線)は、Ⓣのチャイム用変圧器、スイッチ「エ」「オ」「カ」と接続するため、リングスリーブ「小」を使用する。

あとは、蛍光灯「エ」とスイッチ「エ」、蛍光灯「オ」とスイッチ「オ」、蛍光灯「カ」とスイッチ「カ」をそれぞれ接続するため、リングスリーブ「小」を3個使用する。

まとめると、リングスリーブ「中」1個、リングスリーブ「小」4個が必要になる。

正解は

問45

⑮で示す部分の配線を器具の裏面から見たものである。正しいものは。
ただし、電線の色別は、白色は電源からの接地側電線、黒色は電源からの非接地側電線とする。

パイロットランプを使用したスイッチだけど、これは難問

常時点灯であればイ、同時点滅であればハになる。

屋外の蛍光灯のスイッチなので、蛍光灯を使用中であることを伝えるためにパイロットランプが設置されていると考える方が正しい。

正解は

問46

この配線図の施工で、一般的に使用されることのないものは。


イはDV線の引き留めがいし。2階の上の部分で使用されているよ。

ハはステープル。ケーブル工事の際にケーブルを壁面に固定するために使用する。

ニのPF菅は⑧で既に出題されている。

ロは露出スイッチボックス

しかし、この住宅は露出配線が使用されていないため、露出型金属管用スイッチボックスの出番はない。

正解は

問47

この配線図の施工で、一般的に使用されることのないものは。
2022-2-pm-haisenzu

ロのプリカナイフは2種金属製可とう電線管を切断するときに使う。

でも、2種金属製可とう電線管はこの配線図には出てこない。

正解は

※2021年下期午前問50にも同様の問題が出題

問48

この配線図で、使用されていないスイッチは。
ただし、写真下の図は、接点の構成を示す。
2022-2-pm-haisenzu

イの単極スイッチは配線図内のいたるところで使用されている。

ロの4路スイッチは2階の下り階段の入り口に設置されている。

ニの確認表示灯内蔵スイッチは1階便所入り口で確認できる。

一方、ハの位置表示灯内蔵スイッチは「●H」の図記号で表現されるけど、この配線図には登場しない。

正解は

問49

この配線図の施工で、一般的に使用されることのないものは。

2022-2-pm-haisenzu

イはフェードインキャップ。1階居間のライティングダクトの工事で使用。

ロはアース棒で⑥の工事で使用。

ハはPF菅カップリング。⑧の工事でPF菅同士を接続する際に使う。

ニは2号コネクタ。硬質塩化ビニル電線管(VE管)をボックスに接続するために使用される。

2号コネクタは2021年にも出題されたので注意したい。

正解は

問50

この配線図で、使用されているコンセントとその個数の組合せで、正しいものは。

2022-2-pm-haisenzu

イは1階の居間の右下に1個ある

ロは1階台所の1個のみなので誤り。

ハは配線図には無い

ニは③のコンセントだけど、これのみだから1個

正解は

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